ブランド品の腕時計の遺品整理は相続放棄時に要注意
2023/02/15
遺品整理でブランド品の腕時計が見つかると、誰に譲るかや相続など、頭が痛くなる問題です。
本記事は、遺品整理時にブランド時計が見つかって困らないための方法や、見つかったときの対処法について紹介します。
遺品整理の手順
遺品整理では多くの場合、以下の手順で業者に依頼します。
・業者選択
・調査や現状把握、見積もり作成、契約
・現場作業
・精算と引き渡し
自分たちだけで遺品整理するときは、現場作業だけで終わることがほとんどです。
業者選択
遺品整理業者の選択基準はそれぞれです。安い業者や丁寧さを重要視している業者、速さを売りにしている業者などがあります。遺品整理を専門で行う業者や、遺品整理にも対応している不用品回収業者などの選択基準になり得ます。それぞれの得意としている分野は業者により異なるため、比較しながらの選択が重要です。
調査や現状把握、見積もり作成、契約
候補となる業者を絞り出したら、業者の方との現地調査をします。現地調査で、現状を把握し、作業に必要な機材や作業員の割り出し・作業時間・作業の見積もりを作成します。
2~3社ほど、見積もりを出してもらってから業者を決定することも1つの方法です。
業者に出してもらった見積もりに問題が無ければ、契約します。ただし、見積もりは大まかな判断で出されます。そのため、現場作業時に不測の事態が起こった場合、見積もりの金額と多少の差がでることも、理解しておきましょう。
現場作業
現場作業の主な作業内容は、仕訳・持ち出し・買取・清掃です。不要なものをまとめて処分・買取してもらえます。
「遺品整理士」の資格保持者が現場作業する業者であれば、遺品の取り扱いも丁寧です。そのため、故人の持ち物や思い出の品に配慮しながらの作業を期待できます。
部屋の清掃までしてもらえるため、故人名義の賃貸の整理や部屋の清掃負担が減らせます。1人で難しい作業も、労力や時間の削減が可能です。そのため、身内が少ない方や、故人の荷物が多いときは業者に頼む方法がおすすめです。
精算と引き渡し
現場作業が終わると、精算と部屋の引き渡しで終了です。
見積もりの金額はあくまでも大方の目安になる金額です。そのため、不測の事態で必要な機材や人材が増えた際は、見積もり書の金額と精算の金額とで、多少の金額差が出ます。
部屋の引き渡し後は契約終了で、賃貸契約の解除手続きや新しい部屋の準備など、その後の対応についても計画を忘れないようにしましょう。
ブランド品の腕時計を遺品整理するときの注意点
遺品整理の際にブランド品の腕時計が見つかったときの注意点は、以下の3点です。
・相続を放棄するかしないか
・売却するかしないか
・親族の同意をとる
ブランド品の腕時計は数十~数百万円するものがあり、金銭価値が高い腕時計です。そのため、親族間でもめたり、相続問題に発展したりするケースがあります。
これらの注意点を意識して、処分を決定しましょう。
相続を放棄するかしないか
相続を放棄するかしないかで、ブランド品の腕時計の取り扱い方が変わります。それは、ブランド品の腕時計が財産として扱われることも多いためです。
相続を放棄しないときは、手続きを踏めばどのように扱っても問題ではありません。
ただし相続を放棄するときは、慎重に取り扱う必要があります。相続を放棄するときのブランド品の腕時計の取り扱いについては、記事後半の「遺品整理で相続放棄するときにブランド品の腕時計を受け取るケース」で詳しく解説します。
売却するかしないか
前述した「相続を放棄するかしないか」に加えて重要な注意点は、「売却するかしないか」です。
相続する場合は売却しても問題ありません。
ただし相続を放棄する場合、ブランド品腕時計を売却すると相続の意思があると判断されることがあります。そのため売却するかしないかで、故人の負債も相続することになる危険性があります。
相続放棄する際は、売却せずに慎重に扱いましょう。
親族の同意をとる
身内争いを防ぐためには、親族の同意をとることも必要です。
ブランド品の腕時計は数十万~数百万円の金銭価値があることも多く、高価です。勝手に売却したり譲り受けたりすると、発覚したときに親族間で争いの火種になる可能性があります。
また、ただの腕時計という認識でも、思い出の詰まった大切な腕時計だと感じる親族もいます。
そのため、勝手に判断せずに、親族の同意を取ってからどのように扱うか決めると身内争いを防げるでしょう。
遺品整理で相続希望するときにブランド品の腕時計を受け取るケース
相続を希望しており、かつ遺品整理で出てきたブランド品の腕時計の受け取りを親族が了解している場合、配慮したい点は以下の2点です。
・相続手続きを行えば問題ない
・売却は、専門店へ
遺品整理で出てきたブランド品の腕時計は、この2点を押さえて扱いましょう。
相続手続きを行えば問題はない
ブランド品の腕時計は、どのように扱っても相続手続きを行えば問題ありません。相続の意思があり相続の手続きを行えば、譲り受けて身に着けても、売却しても自由なのです。
ただし、相続を放棄するときは売却できません。
相続を放棄するときの腕時計の取り扱いは、「遺品整理で相続放棄するときにブランド品の腕時計を受け取るケース」を参考にしましょう。
売却は、専門店へ
ブランド品の腕時計の売却は、専門店へ依頼しましょう。ブランド品の専門店で査定してもらった方が、適切な金銭価値で買取してもらえるためです。
遺品整理業者や、遺品整理士でも買取してもらえるケースはあります。ただし、遺品整理業者であってもブランド品の腕時計への知識が曖昧で、正しい金銭価値が分からないところで売却すると、本来の金銭価値よりも低い値段で買い取られることもあります。
そのため、遺品のブランド品の腕時計を適正価格で売却するためには、ブランド品専門店へ相談しましょう。
遺品整理で相続放棄するときにブランド品の腕時計を受け取るケース
相続を希望しており、かつブランド品の腕時計を受け取るケースは、以下の3点を押さえます。
・相続放棄の手続きは亡くなってから3か月以内に
・相続放棄すると金銭価値のあるものは受け取れない
・売却すると相続の意思ありと判断される
当然ですが、ブランド品の腕時計は財産になり得ます。そのため、これらに配慮して取り扱いましょう。
相続放棄の手続きは亡くなってから3か月以内に
相続放棄の手続きは亡くなってから3か月以内に終わらせます。手続きの期限が3か月のためです。そのため、できるだけ早めに相続するかしないのかをはっきりさせておく必要があります。また相続放棄手続きの期限を過ぎると相続の意思があると判断されます。そのため、早めの手続き準備が必要です。
ただし、相続手続きは遺品整理前にすることが多く、遺品整理時にブランド品の腕時計が出てくる可能性もあります。遺品整理時にブランド品の腕時計が見つかったときは、相続手続きをしなおして受け取るか、以下の注意点に配慮して受け継ぎます。
相続放棄すると金銭価値のあるものは受け取れない
原則、相続放棄すると金銭価値のあるものは受け取れない決まりです。ハイブランドの腕時計であれば、数十~数百万円の金銭価値になり、受け継ぐためには相続手続きが必要であることがほとんどです。
例外として、形見として受け取る方法があります。腕時計やネックレスなどの、故人が生前よく身に着けていたものであれば、形見として受け継げるケースです。
ただし、ブランド品の腕時計は相続手続きが必要とされるケースがほとんどであるため、例外として受け継げることはほぼ不可能です。
売却すると相続の意思ありと判断される
形見として受け継げた場合、ブランド品の腕時計を売却すると相続の意思ありと判断されます。
形見はあくまでも形見です。故人を身近に感じるために、故人を偲ぶためにお守りとして持つ意味合いが強いものが形見です。つまり形見であれば売却したりしないのが普通、と判断されるということです。
売却すると、腕時計ではなく、お金を受け継ぎたかったのだと判断され、相続の意思があると見られます。
ブランド品の腕時計の遺品整理に困ったら
ブランド品の腕時計の遺品整理に困ったら、以下のようにしましょう。
・形見として受け取る
・生前贈与する
・ほかの人に譲る(形見分けする)
・遺品整理の前に相続手続きを終わらせる
相続手続きは、遺品整理より前・もしくは同時に行うケースが一般的です。
そのため、遺品整理時にブランド品の腕時計が出てきて遺品整理に困る可能性があります。
形見として受け取る
遺品整理時に発覚して困ったら、形見として受け取る方法があります。ただし、前述した通り売却すると、相続の意思があるとみなされ相続放棄ができなくなります。形見として受け継ぐ以上、遺産の相続をするのはもちろん、故人を思い、大切に保管しましょう。
また、ほかの人に形見分けする方法もあります。
生前贈与する
親族が亡くなる前であれば、生前贈与する方法があります。亡くなる前に財産や金銭価値のあるものを事前に譲り渡すことを生前贈与と呼びます。
自分が亡くなった後に身内争いに発展しそうなブランド品やハイブランドのアクセサリーなどは、生前贈与しておくと争いの回避が可能です。
また、生前贈与されたものであれば故人が亡くなった後に売却することも、それ以外の相続を放棄することも可能です。
他の人に譲る(形見分けする)
遺品整理時の発覚で遺品整理に困った際に、ほかの人に譲る(形見分け)する方法があります。
ブランド品の腕時計は管理にも気を遣う必要があります。自分がブランド品の腕時計にあまり興味がなく、他に遺品を大切に保管できる方や、その意腕時計に深い思い入れがある方に形見分けすることもよいでしょう。
また手続きが面倒なときも、手続きする必要のない方に譲れば、相続の再手続きの手間が省けます。
遺品整理の前に相続手続きを終わらせる
遺品整理の前に相続手続きを終わらせておくと、遺品整理の手間が省けます。
遺品整理の前に金銭価値のあるものをピックアップし、先に相続手続きを終わらせておくと、その後の遺品整理も慌てずに進められます。また、早めに相続手続きや遺品整理に取り掛かっておくと、遺品整理のときに思わぬ遺産が残っていても落ち着いて対応可能です。
そのため、手続き関係は早めに動きだしておくとよいでしょう。
まとめ
遺品整理の手順はおおまかに、業者選択・見積もり作成・現地作業・精算の順で進めます。
ブランド品の腕時計を譲り受けるときの注意点は、相続を希望するかしないかで変わります。
相続放棄の手続きは、故人が亡くなってから3か月以内でもあるため、相続の意思は早めに固めておきましょう。
ブランド品の腕時計の扱いに困った際は、その時の最善の方法で、譲り受けるか処分するかの判断が重要です。
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