終活を業者に依頼する生前整理とは？業者へ依頼するメリット・デメリットとやることを解説
2023/01/19
近年、生きているうちに身の回りを整理する終活をする人が増えています。メディアでも取り上げられ、終活が広がりつつありますが、いざ終活しようとしても何から始めれば良いかわからない、そもそも何をすれば良いのかわからないという方もいるでしょう。そんな時には、業者に依頼する生前整理がおすすめです。
今回は、就活を業者に依頼する生前整理の概要やメリットとデメリットをご紹介します。
生前整理とは元気なうちに財産のあり方を考える終活【処分・売却・贈与】
生前整理とは、元気なうちに財産を処分、売却、譲渡する終活のことです。自分が亡くなった後に「家族や親戚に遺品整理の負担をかけたくない」「相続でトラブルになることを避けたい」という思いから、生前整理をする方が増えています。
生前整理では、自分の財産のあり方を考えるだけではなく、エンディングノートや遺言書を作成することも含まれます。一見「老前整理」と似ていますが、老前整理は「老いる前」にする終活であるのに対し、生前整理は「元気なうち」にする終活です。
生前整理の3大メリット｜家族や親族への思いやり
生前整理をすることで、主に以下の3つのメリットが得られます。
①遺族の負担を軽減できる
②家の中や気分がすっきりする
③相続トラブルを回避できる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
①遺族の負担を軽減できる
一つ目のメリットは、遺族の負担を軽減できることです。
人が亡くなると、遺族は葬儀を執り行ったり手続きをするだけではなく遺品整理をしなければなりません。遺品の量にもよりますが、遺品整理には多くの時間と労力がかかり、遺品が増えるほど負担も増えます。
しかし、生前整理をしておけば遺品整理にかかる負担がなくなり、遺族の負担を大幅に軽減できます。
②家の中や気分がすっきりする
二つ目のメリットは、家の中や気分がすっきりすることです。
生前整理では、生活する上で最低限必要なものを残しておき、不要なものは処分したり譲渡します。そのため、家にあったものが一気に無くなるため家の中がすっきりするのです。
また、「自分が亡くなった後に周りに迷惑をかけてしまう」と、遺族のことを案じて気持ちが暗くなってしまうこともなく、すっきりした家の中を見て気分が軽くなるでしょう。
③相続トラブルを回避できる
最後に、相続トラブルを回避できるというメリットもあります。
先ほどご紹介した通り、生前整理は単に不用品を処分するだけではなく、相続する人を決めて遺言書に記しておきます。口頭で譲る人を伝えていても後からトラブルになることもあるため、遺言書で残しておけば相続する人を明確にできます。
遺品整理では、相続に関する遺族同士のトラブルが少なくありません。生前整理をしておけば、自分の財産のことで親族がトラブルにならないように対処できます。
生前整理の3大デメリット｜時間・費用・労力が問題
生前整理をすることには、メリットだけではなく時間や費用、労力面でデメリットがあります。生前整理の具体的なデメリットは以下の3点です。
①時間と手間がかかる
②物の処分に費用がかかる
③自治体に連絡が必要な場合がある
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
①時間と手間がかかる
一つ目のデメリットは、時間と手間がかかることです。
今まで生きてきた中で、日用品や洋服、思い出の品、趣味で集めていた物、使っていた物など、家の中には様々な物を保有していることでしょう。大量の物を譲るもの、捨てるもの、まだ必要なものなどと分類することは、かなりの時間と労力がかかります。また、不要なものは捨てなければならず、捨てる際にも手間や労力がかかります。
生前整理は元気なうちにするとはいえ、一人ですると膨大な時間と手間がかかるため人手が必要です。
②物の処分に費用がかかる
物の処分に費用がかかるというデメリットもあります。
不用品を処分する際、一般ゴミは他のゴミと共に少しずつ捨てることもできますがゴミ袋代がかかり、不燃ごみや粗大ゴミとして処分するためにはさらに多くの費用がかかります。また、遺品には不動産も含まれており、不動産を売却する際は譲渡所得税や住民税などの税金、不動産業者への仲介手数料などがかかります。
このように、生前整理では物の処分に様々な費用が発生することを覚えておきましょう。とはいえ、生前整理をすれば遺族の費用の負担が軽減されます。
③自治体に連絡が必要な場合がある
最後のデメリットとして、自治体に連絡が必要な場合があります。
自治体に連絡が必要となるのは、粗大ゴミを一度にまとめて出す場合です。粗大ゴミを処分する際は、回収業者か自治体に連絡して回収に来てもらわなければなりません。特に、自分で生前整理する場合は他の作業にも労力を使うため、自治体や回収業者への連絡が煩わしく感じやすいです。
なお、自治体によってゴミの分別ルールが異なります。事前に確認して正しく処分しましょう。
生前整理でやること5選｜財産の整理と遺族へのメッセージ作成
生前整理では、財産を整理するだけではなく遺言書の作成などもしなければなりません。では、具体的にはどのようなことをしなければならないのでしょうか。
生前整理でしなければならないことは主に以下の5点です。
①私物や貴重品を整理する
②所有資産を整理する
③デジタル資産を整理する
④遺言書を作成する
⑤エンディングノートを作成する
それぞれについて詳しく解説します。
①私物や貴重品を整理する
まずは、私物や貴重品を整理しましょう。不必要な洋服や家電はあるか、書類や思い出の品をどうするかなどを考えます。
私物や貴重品を分類する際は、「必要な物」「不必要なもの」「保留品」の3つに分けましょう。中には判断に悩む物もあるため、判断に迷ったものは「保留品」にして後日改めて考えましょう。
ただし、保留品が増えると整理が大変になるため、保留品はなるべく作らないようにしましょう。また、必要な物も多すぎると、遺品整理が大変になるため必要最低限に抑えることが大切です。
貴重品は一箇所にまとめておき、最も信頼できる人に保管場所を教えておくと、自分が亡くなった際に遺族の負担が減ります。
②所有資産を整理する
私物や貴重品だけではなく、所有資産も整理します。
所有資産とは土地や不動産、金融資産などのことです。所有資産の中には、プラスの資産だけではなく借金や未納の税金、債務などのマイナスの資産もあります。
所有資産を整理する際は、所有資産をプラスの財産とマイナスの資産に分けたリストである財産目録を作成します。財産目録があれば遺族が相続する人を判断しやすくなったり、所有資産を探す手間が省けるなど家族の負担を減らせます。
③デジタル資産の整理
遺産の整理で忘れがちなのがデジタル資産です。
デジタル資産とは、証券やSNSのアカウント、クレジットカード情報など、インターネット上の資産のことです。近年はインターネットが普及し、デジタル資産を持つ人が増えたためデジタル資産を整理しなければなりません。
デジタル資産の整理では、使っていないアカウントの削除やアカウント、パスワードの処理方法を記しておきます。家族でもデジタル資産を全て把握することは難しいため、家族の負担を減らすためにもデジタル資産の整理は必須です。
④遺言書を作成する
遺言書も作成します。
遺言書とは、「誰にどの財産を相続させるのか」を法律に基づいて明確に記した書類のことです。法律に基づいた書類があれば、遺言書に沿って遺産分割ができるため遺産相続がスムーズになり相続トラブルも防げます。
遺言書がない場合は、相続人の間で遺産分割協議をしなければならず、相続トラブルにもなりやすくなるため、相続トラブルを防ぐためにも遺言書は重要です。
遺言書は形式が守られていないと効力がなくなるため、専門家に相談することをおすすめします。
⑤エンディングノートを作成する
遺言書だけではなく、エンディングノートも作成します。
エンディングノートとは、亡くなった時のために遺族への思いを書いたり、亡くなった後の行動指針を書いたりするノートのことです。財産について記録しておくだけではなく、葬儀内容や供養方法についても記載しておきます。貴重品の場所を記しておいたり、所有資産の内容や相続人についても書いておきましょう。
さらに、人によってはエンディングノートに自分史を書く人もいます。これまでの自分の人生を振り返り、残りの人生を考えるきっかけになるでしょう。
生前整理を業者に依頼する際のポイント4選｜業者の信頼性と充実のサービスがカギ
生前整理は業者に依頼すると、生前整理にかかる負担を大幅に軽減できます。しかし、業者の中にはあまりにも高額な料金を請求したり、作業が雑な悪徳業者も存在します。
悪徳業者に依頼しないために、業者に依頼する際は以下のポイントを意識しましょう。
①妥当な料金体系で生前整理してくれるか
②信頼できる業者か
③スタッフが在籍しているか
④不用品の買取サービスがあるか
それぞれのポイントについて解説します。
①妥当な料金体系で生前整理してくれるか
まずは、妥当な料金体系で生前整理してくれるかを確認しましょう。なぜなら、料金が高いと普通に処分したほうが安かったというケースになる可能性もあるからです。
業者の料金はホームページなどに記載されていることもありますが、作業の内容や量などによって料金が変わるため見積もりを出してもらいましょう。この際、複数社の料金見積りを比較すると、安い業者を見つけられます。
②信頼できる業者か
信頼できる業者かを判断することも大切です。依頼したことがない業者は信頼できるか判断しにくいですが、不祥事がないかや口コミなどから信頼できる業者かを判断しましょう。
また、一般廃棄物運搬許可の有無や整理に関する資格を持つスタッフの有無も信頼できる業者かを判断する材料になります。
③スタッフが在籍しているか
前述の通り、生前整理や収納の資格をもっているスタッフが在籍している業者は優良な業者である可能性が高いです。また、問い合わせ時に粗暴な言葉遣いではないか、質問した際に親切に答えてくれるか、その場で契約しなかった場合に不機嫌になったり威圧的に態度をしないかなど、スタッフの対応も業者選びのポイントです。対応が雑な業者は手荒な整理をする可能性が高いため、依頼は避けましょう。
④不用品の買取りサービスがあるか
不用品の買取サービスがあるかも確認し、不用品買取サービスを実施している業者を選びましょう。
買取サービスをしている業者では、買取可能なものがあれば買い取ってもらうことができ、買取額で料金を補填できることもあります。買取額が高くなれば、この分料金も安くなるため費用負担が減ります。
まとめ
生前整理をすれば、家族の遺品整理の負担を大幅に軽減でき、自分の意思に沿って相続や葬儀が進められます。しかし、生前整理は時間も手間も労力もかかるため、自分だけで生前整理をするよりも業者への依頼がおすすめです。業者に依頼する際は、悪徳業者に依頼しないように信頼できる業者を見つけましょう。
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