遺品整理にはどれくらいのお金が必要？費用の相場や依頼方法などを解説
2024/06/16
故人の持ち物を整理する遺品整理。親族は、葬儀などと共に必ずしなければならないものですが、遺品整理をするにはお金がかかる場合もあります。そこで今回は、遺品整理の費用相場や業者に依頼する場合の依頼方法をご紹介します。
故人の持ち物を整理する「遺品整理」
人が亡くなった時にはお葬式をするだけでなく、故人の遺品を整理しなければいけない場合もあります。それが「遺品整理」です。
遺品整理は遺品というデリケートな物に対する配慮や、適切な対応が求められます。無闇に初心者だけで遺品整理を行うと誤った対応をしてしまう可能性があったり、税金が発生する場合もあるため、親族だけで遺品整理をすることが難しい場合はプロの業者に依頼するのがおすすめです。
このページでは遺品整理を業者に依頼する際の相場や、業者に依頼する事をすすめる理由について解説します。
遺品整理は通常の不用品処理とは異なる行為
遺品整理に似たものとして不用品処理がありますが、遺品整理と不用品処理は別物です。
まず、遺品の中には思いもよらない価値のある物が紛れている可能性があります。故人が所有していたものの、その価値を知らなかったりそもそも所有していたことすら知らなかったというケースもあるでしょう。またヘソクリなど思わぬ所から有価物が出てくるケースもあります。また、遺品整理をしながら故人との過去を振り返ったりなど、故人と今一度向き合う時間を作れます。
一方で、不用品処理は思い出の詰まったものでも、価値のあるものでも不用な物を一律で買取または処分します。処分のために遺品を集めるのみで、親族は遺品を通して故人との思い出を振り返ることはできません。
このように、遺品整理と通常の不用品処理は全く異なります。
遺品整理を行うタイミング
遺品整理を行うタイミングは、考え方や親族の都合によって異なりますが、親族が集まる葬儀の後や四十九日の法要に行うことが多いです。
葬儀後
多くの場合、葬儀が終わった直後や数日以内に遺品整理を始める場合が多いです。これは、家族や親しい友人がまだ集まっている間に共に作業を進めやすいからです。
四十九日の法要後
日本の伝統において、四十九日の法要が終わると故人の霊があの世へと完全に旅立ったとされます。このタイミングで遺品整理を行うことで、新たなスタートを切る準備が整いやすくなります。
心の準備ができた時
遺品整理は感情的に負担の大きい作業です。家族が心理的に準備が整い、故人の物に触れることができるようになった時が、整理を始める適切なタイミングです。
法的・行政的手続きが整った後
故人の資産に関する法的な手続きや、必要な行政手続きが完了した後に遺品整理を行うケースもあります。これには、遺言の有無、遺産分割の協議などが含まれます。
住居の引渡し前
故人が賃貸物件に住んでいた場合や、家を売却する必要がある場合は、物件の引渡し期限が整理作業のスケジュールを決定する要因となります。
どのようなタイミングで遺品整理をする場合でも、親族全員の許可を得て遺品整理を進めないと、後にトラブルにもなりかねないためご注意ください。
対応が異なる4種類の遺品
遺品は、不用品のように単に全てゴミとして処理して良いというものではありません。なぜなら、対応を間違えると後で何らかの不利益を被る可能性がある遺品もあるからです。
そこでここからは、対応が異なる4種類の遺品についてそれぞれご紹介します。
法的な手続きが必要になる貴重品
貴金属や骨董品などの財産価値がある貴重品は、遺産として相続の対象となります。また、クレジットカードやキャッシュカード、銀行の預金通帳、有価証券なども遺産として相続の対象となり、それぞれ法的な手続きが必要です。
特に、価値が30万円を超える貴重品を相続する場合は課税されるため、納税漏れをしないように注意しましょう。
サイトのアカウントや電子データなどのデジタル遺品
デジタルが普及した今日、サイトのアカウントや電子データなど「デジタル遺品」と呼ばれる遺品も増え始めています。デジタル遺品は、他の遺品とは違って目に見えない遺品であることから、相続し忘れることなどが問題視されているため、デジタル遺品がないかも忘れずに確認しましょう。
デジタル遺品が見つかっても、デジタル遺品の多くはロックがかかっており、ロック解除できないという場合もあるでしょう。この場合は、無理にロック解除しようとせずに専門業者に依頼して安全かつ正確に取り扱いましょう。
故人が使用していた家具や家電などの日用品
故人の自宅には、故人が使用していた家具や家電などの日用品が残っていることがほとんどです。家具や家電の日用品も、遺品の一種であり相続できます。
日用品は、親族で引き取りたい方がいれば譲渡しますが、欲しいという方がいない場合はリサイクルするか廃棄処分します。比較的新しいものはリサイクル店に持って行くと買い取ってもらえる可能性があります。一方で、古く使えない日用品が多くある場合は不用品回収業者に依頼するとまとめて回収してもらえるため便利です。
家族や友人と深い関係がある遺品
アルバムや写真、手紙など家族や友人と深い関係がある遺品は、形見として引き取る方がほとんどです。アルバムや写真、手紙などはバラバラになってしまわないように、箱などにまとめて保管しておくと良いでしょう。
故人が趣味で使っていた道具や集めていたものなども、形見として引き取れます。物によりますが、場所を取らない場合は全て引き取っても良いですが、場所を取ってしまう場合は親族で分けたり、特別思い入れのある物のみを引き取りましょう。
遺品整理が大変になりやすいケース
遺品整理にかかる時間や労力は遺品の数や種類、遺族の感情などで異なります。そこでここからは、遺品整理が難しくなったり大変な作業になりやすいケースをご紹介します。
なお、これからご紹介するケースの場合は個人では対応が難しくなりやすいため、業者に依頼することをおすすめします。
故人の持ち物が非常に多い
故人の持ち物が非常に多い場合、遺品整理が大変になりやすいです。なぜなら、故人の持ち物が多いということは、当然遺品整理しなければならない遺品も多いからです。
遺品には、家電製品や貴重品などだけではなくアクセサリーや洋服など、家にあるあらゆるものが対象です。一緒に暮らしていたり、どこに何があるのかわかる人がいれば多少は楽になりますが、通帳など特に重要なものの保管場所を知らない方は少なくありません。この場合、貴重品を探すことに時間がかかったり、持ち物を全て整理するには非常に多くの労力がかかります。
作業を行う遺族側の気持ちがまだ整理できていない
故人が亡くなって日が浅いうちに遺品整理を始めると、遺族側の気持ちに整理がついていないことも少なくありません。この場合、故人の遺品を整理することに抵抗を感じるなど、作業が捗らない原因になりかねません。
故人の遺品を見ると、故人との思い出が蘇って思い出に浸る方も多いでしょう。故人との思い出を振り返っていると、捨てられない遺品ばかりになって遺品整理ができなくなるケースは多いものです。
遺品整理することに心の整理がつかない場合は、第三者である業者に依頼した方が良いでしょう。
処理の方法が分からなかったり判断に迷う物がある
遺品は、単に親族同士で分けたり処分すれば良いというわけではなく、中には法的な手続きが必要なものもあります。また、相続するにあたって相続税など税金が発生する遺品もあります。
処理の方法が分からなかったり、判断に迷うものがある場合は、親族だけで勝手に判断するのではなく専門知識を持った業者に依頼しましょう。
万が一、課税対象であるにも関わらず納税しなかった場合、脱税とみなされることもあるためご注意ください。
退去や売却などがありいそいでいる
故人の住居の退去が迫っていたり、売却が急がれる場合など、時間的な制約がある中で遺品整理を行う必要がある場合、期日までに処理しきれない場合があるので業者に依頼したほうが安心です。
遺品整理作業の進め方
遺品整理の作業は、故人の持ち物が極端に少ない場合以外では、それなりの労力と時間と知識が必要になります。しかし、効率の良い作業の進め方をすれば作業の負担を軽減できます。
そこでここからは、自分や身内だけで行う場合と業者に依頼する場合に分けて、遺品整理作業の進め方をご紹介します。
自分や身内だけで行う方法
自分や身内だけで遺品整理をする場合は、以下の流れで進めましょう。
①スケジュールを決める
②必要なものと不要なものを分類する
③不用品を廃棄する
④必要なものを形見分けする
①では、初めに終わらせる予定の日を決めて、「この日までに終わらせるためにこの日までにこれをする」というように細かいスケジュールを立てましょう。
③では、まだ使えるものはリサイクルショップに持っていたり売ると良いでしょう。古くて使えないものや買い取ってもらえなかったものは、お住まいの自治体のルールに従って処分してください。
専門の業者に遺品整理を依頼する方法
専門の業者に遺品整理を依頼する場合は、故人の自宅の地域を対象としている専門業者に依頼します。
専門業者に依頼する際は、複数の業者から見積もりをもらって比較し、最適な業者を選びましょう。見積もりを見る際は、料金だけではなく料金の振り分けが明確に記載されているかも確認します。なぜなら、料金の振り分けが記載されていないと、作業後に見積もりよりも遥かに高い金額を請求される恐れがあるからです。
また、豊富な実績があるかや口コミなども確認すると安心です。
業者への依頼がオススメな理由
遺品整理が大変になるケースの場合には自分たちで行うよりも、業者への依頼がおすすめです。なぜなら、遺品整理の業者は実際の作業を効率的に行ってくれるだけでなく、様々なサービスを提供している事も多いからです。
遺品整理業者が提供しているサービスを活用すれば、個人や身内だけで作業を行うのと比べて負担が減り、利益を得られる可能性もあります。ここからは、遺品整理業者が行っているサービスの一例をご紹介します。
大量に遺品がある場合にも対応可能
前述の通り故人の遺品が大量に残っている場合、自分たちで遺品整理をすると多くの時間と労力がかかります。しかし、遺品整理業者は大量に遺品がある場合も対応しています。そのため、自分たちで遺品整理するよりも、専門の業者に依頼した方が時間的にも労力的にもおすすめです。また有価物を発見してくれるケースもあります。
遺品整理作業と並行した買取サービス
遺品整理作業と並行した買取サービスを実施している業者も多いです。
買取サービスを実施している業者に依頼すれば、まだ使えるものや価値の高いものを買い取ってもらうことができ、依頼にかかる費用が買取金額分安くなります。
故人の家や部屋も清掃してくれる
故人の家や部屋を清掃してくれるサービスを実施している業者もあります。
遺品整理は、遺品を整理したら終わりではなく故人が住んでいた家や部屋の清掃もしなければなりません。特に、家全体を清掃するとなるとかなりの労力がかかるため、清掃サービスを実施している業者に依頼すると楽です。
業者を利用する費用の相場
業者へ依頼すると遺品整理はかなり楽に行える一方で、作業量が多い場合ではそれなりの金額がかかることがあります。そこで最後に、遺品整理業者を利用する際の相場と、利用するのは避けた方がよい悪質な業者について解説します。
料金は大体20万前後
遺品整理業者を利用した場合の費用相場は約20万円です。ただし、あくまでも目安であり業者ごとに料金が大きく変わり、遺品整理をする部屋の間取りや量によっても料金が変動します。例えば、1Kの部屋であれば35,000円〜が相場ですが、1LDKになると80,000円〜が相場です。
悪質な業者は避ける
遺品整理業者の中には、作業後に高額な料金を請求したり乱雑な作業をする悪質な業者も存在します。悪質な業者に依頼しないために、業者を選ぶ際は以下のポイントを確認しましょう。
- ・遺品整理士が在籍しているか
- ・見積もりが詳細に記載されているか
- ・遺品の探索も依頼できるか
- ・遺品の供養を任せられるか
上記に全て当てはまっている場合は、良質な遺品整理業者である可能性が高いです。
まとめ
遺品整理は親族のみで行うこともできますが、量が多い場合やどこに何があるかわからない、心の整理がつかず遺品整理どころではないといった場合は、専門の業者への依頼がおすすめです。
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