老後の住み替えとは｜メリットと注意すべきポイントをわかりやすく解説しています
2022/10/31
老後の住み替えは、人生における大きなイベントです。そのため正しい知識を持たずに住み替えしてしまうと、自分たちの首を絞めることになりかねません。
そこで本記事では、老後の住み替えのメリットと注意点を解説します。安全で快適な老後を実現するためにも、ぜひ参考にしてください。
老後の住み替えとは？
老後の住み替えとは、老後の生活資金や利便性などを考慮して引っ越しすることです。住み替えのタイミングは、50～60代がベストと言われています。早い印象があるかもしれませんが、住み替え先の環境に早く慣れておいた方が、いざというときに安心です。
厚生労働省が発表している「令和3年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.47歳、女性は87.57歳というデータが出ています。老後の20～30年を快適に暮らすために、早めに検討しておいた方が体力的にも負担が少なくなります。
4パターンの老後の住み替え
老後の住み替えには、大きく分けて4つのパターンがあります。それぞれのメリットと注意点を解説しますので、参考にしてください。
➀ダウンサイジング
ダウンサイジングとは、夫婦や一人暮らしに十分な広さのマンションに住み替えることを指します。子どもが独立した後に、住居のダウンサイジングをする人も多いです。
ダウンサイジングのメリットは、管理のしやすさや利便性にあります。一戸建てと違い、庭や建物のメンテナンスが必要ありません。また立地の良い場所を選べば、買い物や通院などに便利です。
一方でデメリットとして、マンションの立地によっては騒音が気になる点が挙げられます。マンションは一戸建てとは違い、住み替えてみるまでそのような事情はわかりません。また築年数が古いと、管理費や修繕積立金が高くなる場合もあります。
利便性を重視したい人には、ダウンサイジングがおすすめです。住み替え後にどのようなことを優先するかによって、エリアを決めると良いでしょう。
➁シニア用住居
シニア用住宅には、賃貸と分譲があります。賃貸住宅に住み替える場合には「サービス付き高齢者向け住宅」を利用する場合が多く、見守りサービスなどが付属しているのが特徴です。また分譲住宅を購入する場合は「シニア向け分譲マンション」に住み替え、そこでは食事や介護サービスを申し込めます。ただし、年齢制限が設けられている場合があるので、事前に確認しましょう。
シニア用住宅のメリットは、シニア世代が安心して暮らせることです。バリアフリー構造で見守りサービスもあるため、安全面の心配もありません。また同世代が集まっているため、新しい友人関係を築きやすい点が特徴です。
一方でシニア向け分譲マンション自体が少ないことから、希望する条件で見つからないことも珍しくありません。また介護が必要になると、退去しなければならないケースもあります。
シニア用住宅は、安心で快適なサービスを受けたい人におすすめです。ただし、通常のマンションと比べて費用が高額であるため、老後資金と相談しながら検討しましょう。
➂リフォーム
一戸建ての場合は、リフォームを行うのも一つの手です。リフォームのメリットは、環境が変わらない点です。住み慣れた場所なら人間関係も途切れません。
また立地が良ければ、一部を賃貸にして家賃収入を得ることも可能です。リフォームは自分好みの住まいにできるので、今住んでいる場所が気に入っている人におすすめです。
④子どもとの同居
子どもと同居する場合は、建て替えや近隣に住むなどの選択肢があります。子どもが近くにいることで、安心できるメリットがあるでしょう。また自治体によっては、補助金を受けられるケースもあります。
一方で、親世帯と子世帯の意見が合わないことも少なくありません。また孫の面倒を見ることで、自分の時間が減ることもあるでしょう。
子どもとの同居は、親世帯と子世帯が納得している場合におすすめです。リフォームや建て替えも双方で話し合いながら進めることをおすすめします。
老後の住み替えのメリット
若いときと老後では、生活スタイルが変わってきます。老後になってから住み替えを検討しても、体力的に難しい場合も少なくありません。老後を快適に過ごすために、早めの住み替えにはメリットがあります。
➀老後の生活に合った住まいを用意できる
今まで住んでいた家は階段がきついなどの点は、老後ではストレスにつながることもあります。転倒などでケガをしてしまうリスクもあるため、対処する必要があるでしょう。
そのためバリアフリーを採用している住まいなど、老後の生活に合った住居を探す方法もあります。住み替えでは、住環境を重点的に確認しておきましょう。
➁古い家のメンテナンスが不要になる
一戸建てで建物や庭の管理が必要な場合、体力的に難しいと感じる場合もあります。しかしマンションに住み替えれば、それらの心配がなくなります。何か不具合があった場合も管理会社などに連絡すれば良いため、負担が大きく減るでしょう。
➂住まいにかかる費用を削減できる可能性がある
今住んでいる家の住宅ローンを完済していれば、売却して引っ越しにかかる初期費用などを節約できます。また、駅に近い物件に引っ越すことで車が必要なくなり、維持費が節約できるなどのメリットもあります。
老後の住み替えで注意すべきポイント
老後の住み替えでは、いくつか注意すべき点があります。良かれと思って住み替えた後で、後悔するケースもありますので気を付けましょう。
➀保有資産が減る可能性がある
今住んでいる家や土地の値上がりが見込める場合、売却すると保有資産が減る可能性があります。利便性や住環境だけで住み替えをすると、新居の資産価値がほとんどないというケースも少なくありません。
住み替えの際はリタイア後の暮らし方を計画して決めると良いでしょう。
➁住み替え後の住居がマッチするとは限らない
住み替え後の住居は、引っ越しするまでマッチするかわかりません。大きな一部屋が暮らしやすいと思って引っ越しても、掃除が大変だったというケースもあります。
また、初めてのマンション暮らしは騒音が気になることも少なくありません。さらに近隣トラブルがストレスになることもあるので、注意しましょう。
➂マンションは「ペット不可」の物件も多い
マンションは「ペット不可」の物件が多いため、ペットと一緒に住み替えを検討している人はなかなか理想の住み替え先が見つからないケースが多いです。無断でペットを飼育すると、違約金や退去トラブルにつながりません。
④子どもの家庭とトラブルになる可能性もある
住み替えの際は、子どもの家庭としっかり話し合いをすることが大切です。親世帯が離れることで、孫の面倒を見てほしいのにできなくなったなどの不満を言われることもあります。また大きな金額がかかるため、金銭面については詳しく話しておく必要があります。
⑤手間がかかる
住み替えには、想像以上の労力がかかります。今住んでいる家の売却や新居の購入など、手続きに時間がとられるので注意が必要です。またリフォームや建て替えの場合は、仮住まいの準備もしなければなりません。
住み替えの際には引っ越しの準備や不用品の処分など、やることがたくさんあります。忙しい人には大きな負担になるので、計画的に行いましょう。
まとめ
住み替えは、快適な老後のために有効な選択肢です。利便性や住環境など、自分のライフスタイルに合った住み替え先を早めに見つけておけば、老後も安心できます。ただし、引っ越しには想像以上に労力がかかるので、時間がない人にはストレスになるかもしれません。
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