孤独死保険とは?家主型・入居者型の違いや保険料相場、選び方まで詳しく解説
2022/06/30
賃貸物件で孤独死が起こると、遺品整理や原状回復に費用がかかります。こうしたリスクを補償するのが孤独死保険です。
近年リスクのある高齢単身者の方を中心に、万が一の際に備えて孤独死保険に加入する人が増えています。本記事では、孤独死保険について種類や保険料の相場、選び方などを詳しく解説しますので、参考にしてください。
孤独死保険とは?
孤独死保険とは、万が一孤独死が生じた時の金銭的損失を補償するための保険です。管理物件で孤独死があった場合、事故物件となってしまいますので家主にとって大きな損失となります。
また、入居者の家族も原状回復などで多額の費用を請求されるリスクがあります。これらの損害のリスクを避けるために加入するのが、孤独死保険です。
近年では、高齢者の一人暮らしが増えている現状です。また、若い人でも突然死のリスクが全くないわけではないので、孤独死保険の必要性が見直されています。
孤独死で発生する費用一覧
孤独死で発生する費用の内訳を表にしましたので、ご確認ください。
内容 | 費用相場 | |
---|---|---|
葬儀代 | 直送もしくはお通夜と告別式も行う場合 | 20〜200万円 |
遺品整理 | 家具やゴミなどの処理 | 20〜100万円 |
原状回復費用 | 特殊清掃 | 30〜400万円 |
相続手続き費用 | 行政書士や司法書士へ依頼 | 30〜120万円 |
相続放棄費用 | 司法書士や弁護士へ支払う自身で家庭裁判所に申述することもできる | 30万円以下 |
相続税申告費用 | 税理士へ依頼 | 30〜120万円 |
損害賠償費用 | 賃貸物件の場合大家との協議で決定する | 20万〜100万円 |
滞納家賃の支払い | 死亡発見前に家賃滞納があった場合 | 場合による |
孤独死保険の種類・特徴
孤独死保険には、家主型と入居者型の2種類があります。それぞれの特徴を表で比較しましたので、ご確認ください。
家主型 | 入居者型 | |
---|---|---|
保険種類 | 費用保険 | 家財保険 |
契約者 | 家主・管理会社 | 入居者 |
被保険者 | 家主・管理会社 | 入居者 |
補償内容 | 孤独死により家主が被る損害の補償 ・遺品整理費用 ・原状回復費用 ・家賃損失 | 孤独死により遺族や相続人が 被る損害の補償 ・遺品整理費用 ・原状回復費用 また、孤独死以外の災害も対象になる |
保険料 | 1棟あたりの費用設定 | 2年間で2万円前後 |
ここからは、それぞれの保険の詳細を解説します。
家主型
家主型は、賃貸物件の家主が被保険者となって加入するタイプの保険です。家主型の特徴は、主に補償の対象が家主の損害である点です。孤独死により家主が被る損害には、物件の遺品整理と原状回復だけでなく、その期間に得られなくなる家賃収入も含まれます。
孤独死物件の原状回復には、早くても1ヶ月ほどの期間を要します。また、他の物件に比べて新規入居者を探すことが難しくなり、家賃を下げる必要が生じる場合もあります。このような損失を補償できる点は家主にとってメリットです。
一方で、家主型の保険は建物全体でかけるタイプが一般的なため、高リスクな入居者が少ない物件にとっては割高になるデメリットもあります。
入居者型
入居者型は、被保険者が入居者になるタイプの保険です。家財保険として入居時に加入し、保険料は入居者が支払います。
入居者型の特徴は、補償の対象が遺族や相続人である点です。入居者自身が加入して保険料を支払うため、家主の負担がないのがメリットです。また、家財保険のオプション扱いとなるため、孤独死以外の災害による被害等も補償されます。
デメリットは、家賃収入に対する補償は付かない点です。被保険者は入居者自身となるため、死亡後の保険請求は親族や相続人が行う必要があります。相続人がいない場合に家主が請求できる特約がある保険も販売されていますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
孤独死保険の保険料相場
孤独死保険に加入する前に、一般的な保険料相場を知っておく必要があります。孤独死保険を提供している保険会社の料金を以下の表で比較しましたので、参考にしてください。
ライフアシスト家財保険 | 家財保障は最大500万円、 賠償責任保障は最大1,000万円 |
---|---|
賃貸くらし安心保険プラス | 30万程度 |
住まいるパートナー | 最大100万円 |
大家の味方 | 最大300万円 |
無縁社会のお守り | 最大100万円 |
大家さんの安心ぷらす | 25〜100万 |
賃貸経営サポートプラン | 100〜300万 |
孤独死保険の選び方
多くの保険会社が孤独死保険を提供しているため、どの保険を選べばよいか迷うかもしれません。ここでは、孤独死保険を選ぶ際に検討したい5つのポイントを解説します。
・補償範囲
・補償期間
・補償金額
・保険料
・加入条件
補償範囲
孤独死保険を選ぶ際にまず確認したいのが、保険の補償範囲です。孤独死は突然起こるため、多くのイレギュラーな事態が起こり得ます。そのため、できるだけ広い補償範囲を持つ保険を選ぶのがよいでしょう。
例えば、次のようなケースが想定できます。
・物件内ではなく病院で亡くなった場合
・保険加入時には空室だった部屋の新規入居者が亡くなった場合
・物件の追加購入をした場合
また、入居者型の保険の場合は、孤独死以外の損失もカバーできるのが一般的です。火災や落雷、風災、水災など、どの範囲の損失までカバーできるか加入前に確認しておきましょう。
補償期間
家主型の孤独死保険の場合には、家賃損失が補償される期間にも注目すべきです。保険によって、最長数ヶ月から1年以上の補償など期間には差があります。補償期間が長くなれば保険費用も大きくなる傾向にありますが、損害が起こる可能性と比較して選択するとよいでしょう。
補償金額
補償金額もリスクと照らし合わせて検討したいポイントの1つです。孤独死が発生した時にかかる費用から、補償金額を考えられます。孤独死の状況はさまざまなので相場の金額にも開きがありますが、現状の入居者のリスク度合いも検討の要素に入れて判断しましょう。
保険料
保険料は、入居者型の場合は2年で2万円前後が相場です。家主型の場合は建物1棟ごとの費用となり、戸数によって相場が変わりますが、おおよそ1戸あたり数百円の費用となります。補償の内容により費用は変わるため、支払うコストとリスクを比較検討しましょう。
加入条件
家主型の保険は、基本的には1棟ごとの加入になり、保険によっては戸数が少ないと加入できないものもあるため、確認が必要です。入居者型の保険は、基本的には年齢を問わず賃貸入居者であれば誰でも加入できます。入居時に加入するのが一般的ですが、保険によってはすでに入居している賃貸に対して中途で加入できるタイプもあります。
まとめ
孤独死保険とは、孤独死が起こった際の損失を補償する保険です。主に家主の損失を補償する家主型と、親族や相続人に補償する入居者型があります。
家主型は家賃損失が補償されるのに対し、入居者型は家財タイプのオプションのため、他の災害時でもその損害を補償できる特徴があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、目的や現状にあった保険を選択するとよいでしょう。
保険請求の他にも孤独死が起こった際には、やらなければいけないことがあります。困難を極めることの1つが遺品整理や原状回復です。
孤独死発生時の状況によっては、特殊清掃が必要となります。新規入居者を募集できるレベルまで原状回復するためには、しっかりとした対処が欠かせません。「GoodService」では、遺品整理から特殊清掃まで一括してご依頼いただけます。それぞれのご事情に合わせた丁寧な対応が可能ですので、事故物件の処理にお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
カテゴリーから選ぶ
- すべてのカテゴリー
- カテゴリーなし