バイクの相続における手続きと処分方法を紹介
2022/06/09
亡くなった方が残したバイクを売却する場合や、引き継いで使用する場合などに、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
ここでは、遺品として残されたバイクに必要な手続きと適切な処分方法をご紹介します。
バイクは相続財産
亡くなった方が所有していたバイクは、相続財産にあたります。
ここでは相続財産の基礎を踏まえつつ、バイクを相続するための手順・手続きを解説します。
相続財産とは
相続財産とは、相続人が遺産を引き継ぐ際に、相続税の対象となる財産のことを指します。
銀行預金や株、土地などの不動産、自動車等、相続してプラスになる財産以外に、借金も相続財産の対象です。
相続人は主に配偶者、子です。
配偶者や子がいない場合は、親や兄弟姉妹などです。
また、借金やローンなどマイナスの相続財産が多いときには、相続放棄ができます。
相続人がバイクを相続する際は、名義変更をする必要があります。
手順①遺産分割協議書へ記載する
遺産分割協議書を作成する場合、相続財産の内容や相続先と相続方法について記載する必要があります。
バイクに関しては、車名・型式・ナンバーの記載が必要です。
遺産分割協議書は、作成が義務付けられている文書ではありませんが、作成しておくと相続人同士のトラブルを防げます。
遺産相続で揉める原因の1つが、財産の分け方です。
相続人たちの間できちんと話し合い、遺産分割協議書で遺産の分け方を明確にしましょう。
手順②財産価値がない場合は処分する
バイクに財産価値がない場合は、相続財産とみなされません。
故障している場合や、劣化が激しい場合など、査定に出しても価値が付かない場合は、相続人が処分できます。
手順③廃車手続き・名義変更を行う
バイクを相続することになった場合、相続人は廃車手続きを行った後、バイクを相続人の名義に変更する必要があります。
原付バイクの場合は、その原付バイクのナンバープレートを管轄している市区町村の役所で手続きを行います。
一方、軽二輪自動車と小型二輪自動車は、陸運局で手続きを行います。
また、この2種類のバイクについては、被相続人と相続人が同じ陸運局の管轄である場合、廃車手続きをせず名義変更が可能です。
それぞれの車種における相続方法を、以下にまとめました。
■手続き場所と相続方法
項目 | 原動機付自転車 | 軽二輪自動車 | 小型二輪自動車 |
基準 | 50cc | 126㏄~250㏄ | 250㏄以上 |
手続き場所 | 市区町村の役所 | 管轄の陸運局 | 管轄の陸運局 |
相続方法 | 廃車後に名義変更 | 廃車後に名義変更
(陸運局の管轄が故人と同じ場合、廃車手続き不要で、名義変更が可能) |
軽二輪自動車と同じ |
■手続きに必要な書類と費用
項目 | 原動機付自転車 | 軽二輪自動車 | 小型二輪自動車 |
廃車手続きに必要な書類と費用 | ・廃車申告書 ・標識交付証明書(ナンバープレートの交付時に渡される) ・ナンバープレート ・身分証明書 ・相続人の印鑑(認印も可) →費用は無料 |
・軽自動車届出済証 ・ナンバープレート ・相続人の印鑑(認印も可)→費用は以下・手数料500円~ ・用紙代100円~ |
・申請書 (OCRシート第3号様式の2) ・自動車検査証(車検証) ・ナンバープレート ・被相続人の印鑑→費用は以下・手数料350円~ |
名義変更に必要な書類と費用 | ・廃車証明書 ・自賠責保険証明書 ・標識交付申請書 ・身分証明書 ・相続人の印鑑(認印も可)→費用は無料 |
・軽自動車届出済証 ・自賠責保険証明書 ・相続人の住民票等 ・印鑑 (相続人と被相続人の両方) ・ナンバープレート→費用は以下・ナンバープレート代700円~ ・用紙代200円~ |
・自動車検査証(車検証) ・譲渡証明書 ・相続人の住民票等 ・印鑑 (相続人と被相続人の両方) ・ナンバープレート→費用は以下・ナンバープレート代600円~ |
名義変更をしないと起こるデメリット
バイクは、面倒な手続きをしなくても急に動かなくなることはありません。
しかし、きちんと廃車手続きと名義変更をしなければ、さまざまなデメリットが発生します。
ここでは、そのデメリットをご紹介します。
売却できない
被相続人名義のままではバイクを売却できません。
相続人が廃車手続きと名義変更を行うことで、売却が可能になります。
また、売却を考えている場合、手続きを代行してくれる買取業者もあります。
買取業者で売却を考えている場合、自身で廃車の手続きをする前に調べてみましょう。
使用する場合、保険が適用されない場合がある
名義変更を行わずにバイクに乗って事故を起こした際、保険が適用されない場合があります。
もちろん、バイク自体にかけられている自賠責保険で、ある程度の補償は受けられます。
補償内容を超えるような事故にあった場合には、残りを使用者本人がまかなうことになります。
ただし、自身で任意保険や、他車運転危険担保特約に加入しているときは、そこからまかなえることもあります。
いずれにしろ、名義変更を行わないまま使用することはリスクを伴います。
故人様のバイクを引き続き使用する場合は、使用者の名義へ速やかに変更しましょう。
相続人以外の人が使用できない
被相続人のバイクは、相続人以外の名義に変更できません。
そのため、被相続人のバイクを相続人以外の人間が使用することになった場合「一度相続人名義に変更した後、使用者の名義に変更する」という2段階の名義変更が必要です。
2段階で名義変更する場合の手続きには、必要な書類が多く、手間がかかります。行政書士に依頼することも検討しましょう。
数次相続になる場合がある
バイクだけでなく時間が経ってから遺産相続を始めると、数次相続が発生する場合があります。
数次相続とは、相続手続きが終わらないまま相続人が亡くなってしまい、二重で相続手続きが必要になる状況をいいます。
数次相続が発生すると、あまり交流のなかった人や全く見知らぬ人と遺産相続協議を行うことになる可能性があり、相続が難航する原因になります。
被相続人が亡くなったら、相続人が存命のうちに、すべての相続手続きを済ませておきましょう。
バイクの相続税対策
バイクは相続財産であるため、そのバイクの価値に見合った相続税が発生します。
ここでは、バイクにおける相続税対策をご紹介しますので、参考にしてください。
バイクにおける財産評価の方法を知っておく
バイクの財産価値は、中古車市場で取引されている価格をもとに評価されます。
バイクを相続する場合、相続してそのまま売却することも可能です。
その場合、売却した価格をそのまま財産価値にすることが可能です。
相続したバイクをそのまま使用する場合、相続税を算出するために、バイクの財産価値を評価する必要があります。
この際、中古車市場で売買されている同種のバイクに付いている値段を参考に評価額を決める方法が一般的です。
この評価方法を「売買実例価額」といいます。
バイクを査定してもらう
バイクの相続税対策においては、バイクの評価額を買取業者やディーラーに査定してもらうことをお勧めします。
中古車市場で判断する場合、販売価格は販売する側の利益が上乗せされた状態での価格です。
これでは、バイクの実質的な価値より高い評価額になってしまいます。
そこで、売却を予定していない場合でも、買取業者などに査定をしてもらい、バイクの実質的な評価額を査定書にしてもらいましょう。
このような評価方法は「精通者意見価格」といいます。
廃車にする前に買取を検討する
相続したバイクの売却については、廃車の手続きをする前に検討しましょう。
バイクの買取専門店では、廃車手続きを無料で請け負ってくれる業者もあります。
廃車手続きを代行してくれる業者に買い取ってもらうことで、廃車手続きや処分の手間を省けてスムーズに手放せます。
また、古いバイクでも壊れているバイクでも、「処分するしかない」と決めつけずに、いくつかの業者に買取査定に出してみましょう。
バイクの部品や資材などに価値があり、買い取ってもらえることがあります。
廃車の手続き・名義変更は代行の依頼ができる
廃車手続きと名義変更は行政書士に代行を依頼できます。
前述のとおり、売却を考えている場合には、手続きを無料で代行してくれる買取業者もあります。
ただし、買取に出したバイクに価値が付かず、引き取ってもらう場合には、処分費用がかかることがあります。
相続したバイクに価値が付くのかを査定に出して調べましょう。
■廃車・名義変更にかかる費用
・行政書士に依頼する→3万円程度~
・買取業者で買い取ってもらえる場合→無料
・バイクに価値がなく、買取業者に引き取ってもらう場合→無料~1万円程度
バイクの処分方法と費用相場
バイクが売却できなかった場合、処分する方法はいくつかあります。
処分方法の費用相場をあわせて、下記で解説します。
①リサイクルセンターに引き取ってもらう
処分したいバイクは、指定取引場所や指定のバイクショップで引き取ってもらうことが可能です。
相続手続き後に、ご自身で指定取引場所に持ち込む場合は処分費用がかかりません。
バイクショップで引き取ってもらう場合は、手続き費用や運搬費がかかることがあるため、かかる費用を事前に問い合わせましょう。
また、車種によってはリサイクルできない可能性もあります。
自動車リサイクル促進センターのホームページであらかじめ調べておくと、確実にバイクを処分できます。
②買取業者に引き取ってもらう
買取業者で売却できなかった場合でも、無料で、あるいは安く処分してもらえる場合があります。
前述のとおり、バイクに価値がなくても、バイクの部品に価値があり、再利用可能なものがあるためです。
そこで古くなったバイクでも、一度は買取業者に出して査定をしてもらうとよいでしょう。
処分費用は、無料の場合から、高くて1万円前後です。
③不用品回収業者に引き取ってもらう
バイクは不用品回収業者に引き取ってもらうことが可能です。
売却できない場合やリサイクルの対象外だった場合、運搬に困る場合などは、回収に来てもらいましょう。
また、回収だけでなく買取も同時に行っている業者もあります。
加えて、不用品回収業者であれば、バイクだけでなく、被相続人が残した他の不用品も一緒に回収を依頼できます。
バイクを寄付するという選択肢
バイクの関連用品を寄付するという選択肢があります。
遺品にバイクがあった場合、バイク用品も残っていることが多くあります。
例えばヘルメットが、発展途上国では足りておりません。
バイクに乗る際や工事現場で作業する際など、ヘルメットは命にかかわるものです。
こういった不用品を発展途上国へ寄付してくれる団体が存在しています。
リボーンは、寄付したバイク用品の売上の一部をワクチンとして寄付する仕組みを作っています。
まとめ
バイクの相続における手続き・処分の方法を解説してきました。
故人様から引き継いで使用する場合、どのような処理方法を選択するかは残されたバイクの状態などによってさまざまです。
GoodServiceでは、バイクの不用品回収を行っています。
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