孤独死での遺品整理は誰がやる?かかる費用や注意点を解説します
2022/03/22
一人暮らしをする高齢者数の増加にともなって、社会問題にもなっているのが、孤独死です。アパートやマンションといった賃貸物件で孤独死が起きた場合、また、身内が孤独死した場合は、遺品整理は誰がするのでしょうか?
そこで今回は、孤独死における遺品整理を行う人について、かかる費用や注意点と一緒に解説します。
孤独死の遺品整理は特殊清掃が必要
孤独死が起きた際、現場に残されている遺品の多くは、処分が必要です。ひとつの目安として、約80%のものは処分と考えてよいでしょう。
理由は、家電製品や家具、衣類などに、遺体の腐敗臭が染み付いているためです。孤独死の中には亡くなってから、数日間経ってから発見されるケースも少なくありません。遺体を長く放置しておくと、腐敗臭が発生して家財道具などに染み込み、また、排泄物や血液などで汚染されてしまいます。
孤独死では特殊清掃も必要なケースが多い
遺品整理とは、残されたものを処分するだけでなく、使っていた部屋を掃除して、元の状態へ戻す作業も含まれています。先で説明したように、孤独死が起きた部屋の中には、腐敗臭や排泄物、血液などによる汚染がひどく、通常の清掃では対応できないことも珍しくありません。
通常の清掃では対応できない場合に利用されるのが、「特殊清掃」です。特別な機材や薬剤を使って、排泄物や血液などによる汚染の除去、腐敗臭や異臭の除去、害虫駆除などを行います。
孤独死での遺品整理の注意点
亡くなってから発見されるまでの時間が長ければ長いほど、遺体と現場の損傷は激しくなります。孤独死による遺品整理をする場合は、次に挙げる3点に注意しましょう。
➀腐敗臭が強いと近所迷惑になる
孤独死があった部屋へ入ると、部屋の中に充満している腐敗臭から、つい窓を開けて換気したくなるかもしれません。しかし、自己判断で窓を開けるのは絶対に止めてください。換気扇を回すのもNGです。
腐敗臭が窓や換気扇を通って近所へ伝わり、洗濯物へ染み付いたり、部屋の中へ入ってきたりする可能性があります。また、ハエなどの害虫が飛んでいくことも考えられるでしょう。
近所からクレームが入るだけでなく、ケースによっては、損害賠償請求されるかもしれません。
②体液や血液の清掃は素人には難しい
たとえば、浴室で孤独死があった場合、浴槽のお湯を抜くのは止めてください。お湯の中に髪の毛や腐った皮膚、骨などが残っている状態でお湯を流すと、排水溝が詰まってしまう原因となります。また、排水管を通って体液や血液などが流れ、近所に悪臭を発生させてしまうでしょう。
浴槽のお湯は、流さないことが大切です。 お湯を排水溝から流さずに、バケツでくみ出したり、丁寧に拭き取ったりしながら作業を行わなければいけません。
また、故人がB型肝炎やC型肝炎、HIV、結核といった疾患をもっており、室内が排泄物や血液で汚染されている場合、遺品整理をする側も、感染してしまう可能性があります。最善の準備をした上で、掃除や遺品整理へ臨む必要があるでしょう。
上記のような理由から、孤独死による体液や血液の清掃は、素人には困難です。「次の人が住めるように、早くきれいに掃除をしないと」と思っても、専門的な知識やスキルをもっていないと、適切な清掃・遺品整理は簡単にはできません。
③特殊清掃前には部屋に入らない方が良い
孤独死によって特殊清掃を依頼する場合、清掃が始まる前には、部屋へ入らないようにしましょう。部屋の中に充満した腐敗臭や異臭によって、体調をくずしてしまう可能性があるためです。
また、床に残された体液や排泄物、大量のハエやウジなどの害虫、浴室で亡くなる場合は、浴槽に残された皮膚や肉片、髪の毛がそのまま付いた頭皮などは、現場を見るほとんどの人にとって大きなショックを与えるものです。
人によってはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こしかねません。時間が経ってからも現場の映像がフラッシュバックとして突然よみがえり、日常生活・社会生活に支障をきたしてしまいます。以上のようなことが考えられるため、特殊清掃が終わってから入室し、遺品整理などをするようにしてください。
孤独死の遺品整理は誰が行う?
孤独死が起きた際に気になるのが、「遺品整理は誰が行うのか?」ではないでしょうか。とくに連帯保証人や相続人などがいる場合、賃貸オーナーも含めて、誰に遺品整理・清掃の責任が発生するのかは知っておきたいところです。
遺品整理を行う義務の発生順序は、次のようになっています。
①連帯保証人
②相続人
③賃貸オーナー
それぞれの詳細は、以下のとおりです。
連帯保証人
アパートやマンションといった賃貸物件へ入居する場合、基本的には連帯保証人が必要です。連帯保証人とは、借主が家賃の支払いができなかったり、設備を破損した際に弁償できなかったりした際に、借主に代わって弁済する人を指します。連帯保証人は、安定した収入があれば友人にお願いすることもできますが、一般的には親や子供、兄弟といった身内への依頼を勧められるでしょう。
連帯保証人は、借主とほとんど同じ義務を負うことになるため、孤独死が起きた際は、連帯保証人に遺品整理や清掃の義務が発生します。費用負担も、連帯保証人に一番の義務があります。
相続人
連帯保証人がいない場合は、故人の相続人に遺品整理・清掃の義務が生まれます。遺品は実際の所有者はもういませんが、故人の所有物です。そのため、相続意思のある相続人に、遺品を整理する義務があるということです。特殊清掃に関わる費用負担義務も発生します。
もし、相続を放棄した場合でも連帯保証人になっていれば、連帯保証人として遺品整理をしなければいけません。
賃貸オーナー
連帯保証人と相続人、どちらも存在しない場合は、賃貸オーナーに遺品整理をする義務が発生します。
上記で紹介したように、遺品整理に関わる義務には順番があるため、賃貸オーナーだからといって、勝手に掃除をしたり、遺品を処分したりすることはできません。違法となる可能性もあるため、必ず正式なステップを踏んでから取りかかるようにしてください。
孤独死の遺品整理・原状回復にかかる費用は?
孤独死による遺品整理や原状回復を行う際、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会が2021年6月に発表した「第6回孤独死現状レポート」によると、孤独死による平均損害額は次のようになっています。
・残置物処理費用 23万5,865円(最大損害額178万1,595円、最小損害額1,080円)
・原状回復費用 38万9,594円(最大損害額152万8,329円、最小損害額5,400円)
残置物処理費用と原状回復費用を合わせると、平均して60万円弱の費用が発生していることがわかります。また、賃貸オーナーにとっては当分部屋を貸し出すことができず、家賃収入の減少することも想定されるでしょう。遺品整理や原状回復、家賃収入減少に対応する保険もあるので、上手に活用するのがオススメです。
まとめ
孤独死が発生した現場には、腐敗臭が充満し、また遺体の排泄物や血液などが床に染み付いていることも珍しくありません。素人による通常清掃では歯が立たないため、専門業者による特殊清掃を依頼する必要があります。
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