清拭(せいしき)
清拭は仏教では迷いや苦しみを拭くことによって清められるとされています。清拭は体をアルコールがついた脱脂綿やガーゼで拭くことです。参列した人も参加することができます。基本的に肌が露出している部分を拭きます。場合によっては直接触れてしまうと感染症にかかるリスクがあるため実際には拭かず動作のみ行う場合もあります。
清拭と似ているものがたくさんあるのでそれらと比較してみましょう。
「湯灌」は入浴に近いものになっています。体を綺麗に洗い流したり洗髪をしたり髭剃りをしたり一般的に行われる入浴と同じような流れになっています。湯灌をすることによって清潔が保たれます。
「エンバーミング」はメスをいれて防腐剤を体内に入れることによって腐敗を防ぐものです。2週間ほどの効果があります。防腐剤に着色料が入っているので生前のような血色感が戻ってきます。また消毒も行われるので素手で触っても感染症のリスクが湯灌や清拭に比べてはるかに低いです。
「エンゼルケア」は病院内で亡くなった際に看護師や医師が行う処置になっています。清拭も行いますが内容物が出てこないよう、腸内や胃内の内容物を取り出して漏れ防止のために専用のゼリーをいれます。
清拭はこのなかでも一番簡易的な体の清め方ともいえるでしょう。費用に余裕のある場合は湯灌やエンバーミングを行うことができますが費用を抑えたい場合などは清拭で済ませることも可能です。清拭はガーゼや脱脂綿をアルコールで濡らしたもので体をふくだけなので損傷があったりした場合、修繕をしたりすることができないのであらかじめ理解しておくことが必要です。
葬儀以外にも清拭は行われています。介護を行う際にも入浴が難しい場合、清拭にて体を清潔に保つことができます。