死に水
亡くなられた際に口元に水で浸した新しい筆や脱脂綿を故人の口元をぬぐう行為です。ほかにも「末期の水」ともいわれています。これは死に目を惜しむとして行われており近しい親族から親戚、友人等の順番で行われます。配偶者、喪主の次に血縁の濃い人から順番に行われます。1人1回原則行いますが小さなお子様や無理に行う必要は有りません。また1人につき複数回行うのは良いとされていないので控えましょう。死に水は実際には口の中に水を入れることはありません。無理やり水を含ませる必要はなく、口元を濡らす程度で十分です。地域によっては脱脂綿や筆を使わず、樒の葉を使うところもあります。かつては故人に死に水を行った後、参列者も同じように水を分かち合ったそうです。現在では衛生上の理由から行われなくなりました。
死に水が行われるようになった由来は昔、お釈迦様が亡くなる前にのどが渇いた水が欲しいと言い、水を用意できずに困っていたところ、鬼神が水を持ってきたという言い伝えが始まりです。現在では実際には飲ませずに枕元にコップに入れた水を置いておくことが多くなったそうです。生き返ることへの祈りと死後の世界でのどが渇くことがないようにという意味で口を濡らしています。かつては故人に死に水を付けた後に遺族も共に死に水を口にしていました。現在では遺族も水を含むことはなくなりました。またかつては亡くなる直前に行われていましたが現在では亡くなった後に行われるようになりました。
「死に水をとる」という言葉は最後まで世話をする、面倒を見るという意味とされています。