手元供養(てもとくよう)
通常、遺骨は納骨をしたり墓石に納めたりしますが手元供養では自宅に保管をして供養をします。その際にはそのままの状態の遺骨であったり遺灰にしてあることが多いです。手元供養の方法には主に2種類あります。遺骨を全て自宅にて保管する全骨と一部は納骨して残った遺骨を自宅に保管しておく分骨です。遺骨や遺灰を身近な場所に置いておくことによっていつも故人のことを想うことができる供養方法になっています。墓場や霊園から自宅が遠かったり健康上の理由から足を運ぶことが難しい場合などに利用されることが多いです。お寺との付き合いが苦手な方にもおすすめな供養となっています。ほかにも故人と強くつながっていたいという思いをお持ちの方が手元供養を希望します。諸事情により納骨堂や墓場の手配ができなかったりした場合にも用いられます。遺骨をそのまま家庭に置いておくだけであれば墓石の費用であったり霊園の費用が掛からないので費用を比較的おさえることができます。また霊園や墓場ではないので定期的に清掃をする必要もほとんどありません。
主に手元供養として取り上げられるのは遺骨をアクセサリーにする方法があります。遺骨を加工して合成ダイヤモンドにしたり真珠に加工したり他の宝石と混ぜ合わせて樹脂で固めてアクセサリーにすることも可能です。昨今ではお参り先が地方に合って向かうことが難しいと思われる方や小家族によって墓石等を持っていない家庭も増えています。そういった方が多い中でアクセサリーなどにして常に故人と一緒にいられるというのは素敵なことではないでしょうか。木製のアクセサリーの場合であれば身に着けていた方が亡くなった際、一緒に火葬することが可能です。アクセサリーにすることによって故人を身近に感じることができるので精神的にも安定します。故人との別れがつらく立ち直れない方などにはお勧めの供養方法となっています。アクセサリーの種類によっては費用が掛かりますがお墓を建てたり霊園に定期的な費用を払うものに比べて安価に抑えることができます。ペンダントやブレスレット、リング、お守りにするのが主となっています。
注意点
いくら大事に身に着けていたとしても劣化や何気ない瞬間に失くしてしまうことがあります。そういった点は細心の注意を払うことが必要です。遺族によっては遺骨を肌身は出さず持っているのは良くないと思われる方もいます。最近になって出てきた供養方法ですので一度実行する前に相談してみると良いでしょう。また遺族が故人に執着すると成仏できないのではと心配される方もいるのでどうしてもアクセサリーにしたい際にはどういう理由なのか遺族に素直に伝えて説得すると良いでしょう。加工の仕方によってはペットなどの動物の遺骨はお断りする場合があります。人間の遺骨とは材質が異なり変形やうまく作れない場合があるからです。都度相談したりいろんな業者に依頼をしてみると良いでしょう。また自身が亡くなった際には手元供養をどうするかは考えておく必要があります。そのままにしてしまうと遺された遺族が困ってしまったり気付かずそのまま処分してしまう可能性があります。事前に家族や親戚、友人などにどうしてほしいか希望と伝えておくと良いでしょう。