形見分け(かたみわけ)
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形見分けとは
故人が残した遺品を遺族や親友、交流の深い友人などに贈ることです。
やみくもに贈ってしまうと相手方も困ってしまうことがあるのでお互いの意思を尊重しながら行う必要があります。故人のものを永く愛用できることはとても素敵な事です。大切な方に使ってもらえれば故人の方も喜ぶのではないでしょうか。形見分けは故人や遺品を心を込めて供養しようという気持ちの表れでもあります。
形見分けは遺産相続と同じわけですから原則遺族のみで行われるのが原則です。ですが深い仲であった友人や親友などにも形見分けをしたい場合ももちろんあります。トラブルを避けるためにもその際には遺族全員が承諾してから行いましょう。
また形見分けは生前に行うこともできます。生前行うことで自身が一番贈りたい相手に贈ることができますし双方の想いをより一層一致させて行うことができます。形見分けされた時、お返しは不要です。お返しをしたりお金を支払ったり手紙を返したりする必要はありません。故人を偲ぶことが一番のお返しになります。
形見分けと似ている内容として遺品整理が取り上げられることがありますが遺品整理の場合は誰かに譲るのではなくそのまま供養して処分することを指します。
主に形見分けされる品
特に形見分けをする品はこれといって決まっていません。市場価値のある高価なものだと贈与税が発生するので注意が必要です。具体的には110万を超える形見分け品目を出された場合は贈与税が発生します。こういったことから基本的にはもう一般的には価値のなくなってしまった相続財産に当てはまらないものが対象になっています。
また受け取る側は基本的には快く受け取りましょう。受け取ることで故人や遺品の供養にもなります。家庭の事情や心情など様々な場合によっては受け取れないこともあるのでその場合には丁寧にお断りをしましょう。
主な品としてあげられるのは衣類や小物、書物やアルバムなどががあります。どれもこれからも使っていけるよう修理をしたりメンテナンスがされているか確かめることが必要です。ほかにも家具なども形見分けできますがご家庭によっては置けない場合があるので事前に相手と相談しておく必要があります。もしかさばるような着物などでもリメイクをして小物にかえることで形見分けができますし数多くの人と共有することができます。ほかの品目でも相手の気持ちを尊重することが大切なので相談して決めることをお勧めします。もし譲る人がいない場合でも慈善活動団体に贈ることも大変喜ばれますし故人の方も嬉しいのではないでしょうか。もし形見分けされたものが修理しても使えなくなってしまったりやむを得ず処分することになってしまった場合はそのまま処分せずにお焚き上げをすると良いでしょう。
注意点
形見分けしたものを梱包をしてから贈るべきか悩む場合もあるかもしれませんがプレゼントとは違って故人を偲ぶために贈るものなので必要ありません。もし気になるようであれば手渡しをする際は半紙に「遺品(仏教の場合)」または「偲ぶ草(神道の場合)」と一筆添えて渡すと良いでしょう。もし郵送をする場合には相手方に形見を送ることを伝えてから送りましょう。
形見分けをする際に、よく知れぬ人からも形見分けをしてほしいといわれる場合もあります。無下にお断りするのは失礼にあたるので控えましょう。もしかすると故人と深い交流があったのかもしれませんが不安に感じる場合には連絡先を控えておくこと良いでしょう。
故人の遺志をできる限り尊重するために遺書や遺言を軸に形見分けを行います。口約束で決めてしまうと今後もめる可能性もあるので注意しましょう。