音楽葬(おんがくそう)
音楽葬とは葬儀中に様々な故人の希望している曲や思わせるような曲を流すことができる自由葬の中の一種です。比較的自由度の高い葬儀となっています。基本的に無宗教で行われますが仏教やキリスト教など宗派の色を混ぜることもできます。まだ主流ではなく音楽と言っても漠然としていてどういった音楽が使われるかわからないという方が多く見られます。流せる曲はCDもありますが他にも小規模のオーケストラを呼んだりと故人の希望に合わせた音楽を流すことができます。故人が望んだのであればロックバンドを呼んで歌ってもらうことや希望によっては故人が好きだった歌を参列者で歌うこともできます。このように一般的な葬儀とはかけ離れた曲を使うことができるのが音楽葬の強みになっています。こうして故人が好きだった曲を流すことによって後日その曲を聴いた時に故人のことを思い返すことができ、記憶に残る葬儀を行うことになります。
故人が好きだった曲とは言っても同じ曲ばかりを流しているのは聴いている側としてもよくありませんので基本的には10曲前後の候補を挙げておく必要があります。主催する側の遺族の方々は故人が好きだった曲はどんなものだったか、どのタイミングでどんな曲を流すかなど交流の時間が増えます。そうすることによって故人を送り出すという意識が強くなり心に残る葬儀にできるのではないでしょうか。そうしたことから他の葬儀などと比べてかなり印象に残る葬儀になっています。
建物内でいくつかの葬儀が行われることがありその中で音楽葬をしてしまうと他の葬儀の妨げになる可能性がありますので音楽葬をお断りしている葬儀社もあります。まずは葬儀社探しから始める必要があります。さまざまな葬儀社がありますが音楽葬の経験のある葬儀社を選ぶと葬儀社の方とも相談ができるので良いのではないでしょうか。
注意点
まだ主流となっていない音楽葬だからこそ注意しなくてはいけない点が多々あります。
まず読経がなく音楽がメインとなっていくのでたとえ故人の希望であったとしても参列者の中にはなかなか理解を得られないという場合もあります。その際には故人の希望で音楽葬をするということを伝えましょう。また相場があまりないので気付いたら高くついてしまう可能性があるのでこちらも注意が必要です。後々トラブルにならないよう、様々な葬儀社に見積もりや相談をしてみることも大切です。
そして最も注意しなくてはならない点が著作権の問題です。使用する曲や流し方によっては一般社団法人日本音楽著作権協会、通称JASRAC(ジャスラック)に使用料を払う必要がある場合があります。葬儀社によってはJASRACと契約を結んでいる場合もありますがしていない場合だと使用料を払わなければなりません。自宅葬で自身で音響の準備をする場合には使用料の発生はありません。元もと著作権がない曲であれば承諾は必要ありませんが著作者が死後50年を経過していたり生演奏の場合であれば承諾は必要ありません。現在では音楽葬の為の楽曲も販売しています。それ以外の場合は承諾を取る必要があります。もしわからない場合は一度JASRACにコンタクトをとって確認してみるのも良いでしょう。トラブルにならないようJASRACと契約を結んでいる葬儀社を選んでおくと安心です。契約を結んでいない葬儀社で著作権のある音楽を流すことは基本的にはできないので気をつけましょう。