老前整理(ろうぜんせいり)
目次
老前整理とは
老いる前に行う整理、老いに備えるための整理のことです。老前整理は生前整理と違って自分のために行います。
生前整理は老年にあってからだったり病気が発症したり施設に入ったりしてから行うような整理のこと。また自分が他界してしまった後の遺族の方に負担をかけさせないようにする整理です。主に自分の死が見えるようになってきてから整理をすることを生前整理といいます。
そういった点では老前整理は今後の老後生活を楽に過ごせるように周りの整理をすることなので漢字の雰囲気は似ていても意味は全く異なります。
老前整理を進めるコツ
一度に全部進めない
→一気にやってしまうとどんどん物があふれかえってきて逆にやる元気がなくなってしまいます。一日に整理する区画を決めて少しずつ整理をするとよいでしょう。例えば、今日はこの棚の中身だけを整理するなどと決めて整理を始めると終わりが見えてやる気も出てきます。目標を決めることでコツコツと着実に老前整理を行うことができます。
必要ボックスと不要ボックスと保留ボックス
→必要かどうかをまず全部出していきます。その際に今後もまだ使うものは必要ボックスに、こんなのもあったな忘れていたな程度のものであれば「今までありがとう」と伝えて不要ボックスへ。数秒間迷ってしまったものはできるだけ悔いのない分別をするためにも一旦保留ボックスへ入れます。そうすることで必要不要のものが見えてきます。不要なものはそのまま処分したりリサイクルショップに出したりできますし、保留ボックスに入れたものでもよく考えてから処理をすることができます。捨てづらいなと思ったものでも写真に収めて現物は処分することで物量を減らすことができます。また万が一捨ててしまってもその後捨てなければよかったと思うことはあってもずっとそう感じていることは少ないのではないでしょうか。今まで捨てて後悔したものすべて覚えていないのと同じである程度捨ててしまっても問題は有りません。
収納用品を増やさない
→整理をしようと思って収納ボックスやその他の用品を買う人もいるかもしれません。ですがそれは物の場所を変えただけで収納ができているとは言えません。今あるタンスや押し入れなどを活用してそのスペースに納められるような物量を残していこうと考えるとスムーズに進むのではないでしょうか。
他人のものは勝手に捨てない
→これはコツとは異なりますが家族の物を勝手に使わないだろうからと処分してしまうのはよくありません。本当に必要なものだったかもしれませんし万が一不要でも勝手に捨てられてしまうのはショックなものです。もし見つけて処分したいと思った場合には、必ず本人に確認を取ってから処分をしましょう。
なぜ老前整理が必要なのか
それこそ生前整理をするのだから老前整理は必要ないのではと思うかもしれません。ですが老前整理を行うことでゴミ屋敷やセルフネグレクトを防ぎ老後も自立した生活を送ることができます。また体が元気なうちに整理を行うことで万が一、体がうまく動かないようになった時でも探し物がすぐに見つかったり楽に生活を送ったりすることができます。そういった意味合いでも老前整理はとても大切なことなのです。
老前整理を行う際にはけがに十分気をつけましょう。まだ体がハキハキ動くからといって無理をしてはいけません。高いところに登ったり重い荷物を持ったりする際には細心の注意を払いましょう。ですが今だからこそそういったヵ所も整理ができるので注意をしながら老前整理をしましょう。また周りの親族の方で物を溜め込んでなかなか捨てられないという方はいませんでしょうか。そういった方にも今度の生活をなるべく安全に快適に過ごしてほしいという旨を伝え老前整理を勧めてみてはいかがでしょうか。