襤褸(ぼろ)
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「襤褸」何と読む?意外と身近なもの
襤褸とは「ぼろ」と読み、主に使い古しの布やぼろきれのことを指します。また着古して破れた衣服、継ぎはぎだらけの衣服のことなどを襤褸と呼ぶこともあり、「らんる」と読むこともあります。襤褸の歴史を辿ると、江戸時代頃から使い古しの衣類やぼろきれがリサイクルされ、物物交換や売買などの対象となっていたようです。
産業用原料として繊維のリサイクルが始まったのは、明治期頃。活版印刷に使う洋紙の製紙原料として、木綿の襤褸を集めるために全国に襤褸屋が誕生したと言われています。そのため、当初の襤褸屋は製紙・製綿原料商として、紙の原料と製綿の原料を取り扱う業者でした。
「故繊維」の種類~襤褸とそれ以外の違いとは
環境用語として考えると、襤褸は不要になった中古衣類を含む廃繊維製品類、いわゆる故繊維の一つ。故繊維は大別すると、製造工程から発生する加工くずである産業くず、いわゆるくず繊維と、家庭や事業所から回収される使用済み製品である襤褸に分けられます。故繊維の一つとしての襤褸には、各種衣料品、シーツ、毛布、カーテン、カーペットなどあらゆる種類の繊維製品が含まれます。
産業くずは、一度も使用していない繊維くず、裁断くずのことで、紡績工場や織布工場、縫製工場などで発生し、繊維くず回収業者によって直接回収され、繊維原料商が集荷。繊維をほぐして綿状にした反毛の原料となるのが一般的で、反毛はフェルトや紡績の原料となります。一部は、ウエス(工業用雑巾)の原料として襤褸選別業者が回収するケースもあります。
襤褸のリサイクル方法
故繊維の中で、襤褸は一回でも袖を通した衣類、もしくは使用済みの布類、布製品のこと。襤褸はかつて洋紙の原料として利用されていたという経緯から、古紙と共に古紙回収業者や廃品回収業者が回収、もしくは自治体の分別収集などによって回収され、襤褸選別業者が買い取り、用途ごとに選別した後に需要先へ販売します。
襤褸のリサイクル先としては主に3つの道筋があります。一般的な道は、原型を活かしたリサイクル。中古衣料、古着としての活用です。近年はリサイクル意識の高まりから、襤褸をリサイクルショップなどへ持ち込む人、フリーマーケットなどで古着をやりとりする人、ユーズドの服を着こなす人も増えています。しかし、海外製品など新品が安価に手に入ることもあり、日本人にとって衣類は使い捨てというイメージが根強いのも事実です。そういった背景から、国内での再利用の需要は極めて低く、日本でユーズド品として販売される物よりも、東南アジアや南アジアなど海外へ輸出される物が大半という現状もあります。
2つ目の用途としては、工業用雑巾のウエスの原料。つまり、素材を活かしたリメイクです。さらに、再生原料としてリサイクルする方法として、反毛に加工される物もあります。こういった用途に従って、色柄など様々な要素を踏まえて130〜140種類に細かく選別されます。
回収に出す際に注意するべきこと
リサイクルの優等生とも言われる襤褸を、さらに有効に再利用するために、回収に出す際に私たちができることは、洗濯した状態で出すこと、濡らさない、汚さないことなど。
タオルやシーツ類、枕カバーや帽子、靴下など、リサイクルできないだろうというイメージから、家庭ごみとして出していた物の中にも、再利用できる物が多々あります。一度、回収業者などに相談してみましょう。