木質廃棄物(もくしつはいきぶつ)
目次
木質廃棄物の内訳とは
木質廃棄物には生木の根株や枝葉、幹をはじめ、家具などの木製製品、その他、様々な事業活動から排出された木材が含まれ、家屋の解体材や建築資材、廃パレット、梱包廃材、製剤の端材、合板などが挙げられます。
中でも、建設業やパルプ製造業にかかわる木くず、事業活動から生じたPCBがしみ込んだ木くずなどは産業廃棄物に分類され、これ以外の剪定材や伐採木、木製製品等は一般廃棄物となります。
このように幅広い種類の木材が該当する木質廃棄物は、再生可能な資源の集まりとも言えるため、リサイクルが可能な資材として環境面からも期待されています。
木質廃棄物は何に生まれ変わる?
回収された木質廃棄物は、2割程度が埋め立てや焼却で処理されますが、それ以外は処理工程を経て、製紙用や燃料用、建材用、敷材用など各種チップに生まれ変わります。回収された木くずは各種チップ向けに仕分けされ粉砕。釘やボルトなど混入物が取り除かれます。製紙用のチップを利用して再生紙が作られ、燃料用チップはバイオマス電気燃料として活用されます。また、建材用チップはボードとして家具や建築材に使用。敷材用のチップは、畜産や牧場の敷料材として利用されるなど幅広い用途に用いられています。
日本の貴重な資源である「木質廃棄物」を有効に活用するには
このように、再資源化が進む木質廃棄物ですが、さらなる有効活用の可能性も見込まれています。背景には、本来ならば新たな素材として再資源化されるべき木材が燃料化されてしまっているという指摘があり、リサイクルの可能性を十分に検討した上で、厳密な仕分けをすることが必要だという認識が広まったことが挙げられます。
このために、木質廃棄物の排出業者と処理業者の間で、廃材の木質に関する認識や基準を改めて確認し、共有することが重要です。
また、一般廃棄物の中にも家庭ごみに含まれる木質廃材があるとされ、これらの効率的な再資源化も求められています。木質廃棄物は全国各地で発生しますが、各地の処理業者の処理能力や方法はそれぞれに異なります。そこで、一般廃棄物中の木質廃材のリサイクル率を高めるためには、処理業者の指定の問題なども関連があるとされ、より質の高いリサイクルを目指す上では、多角的な見直しも必要に。木材廃棄物の回収から処理、再資源化後の活用まで、一貫した最適な工程を関係者間や公的な機関などで改めて検討し、共有することが、今後のより良いリサイクルに結びつくと考えられます。
木材は日本にとって貴重な資源ですので、有効に活用することができれば今後の循環型社会の実現にとって大いにプラスになるはずです。廃棄物をごみではなく、新たに生まれ変わる資源として認識し、正しい廃棄や回収への協力を心掛けましょう。