廃石(はいせき)
目次
鉱石と廃石の違いとは
廃石とは鉱山や炭鉱で、坑道掘進などの作業のために鉱石や石炭と共に掘削されたものの、鉱石や石炭としての価値がないことから廃棄処分される岩石類のこと。また、廃棄された岩塊・岩片など。
鉱山や炭鉱の採鉱工程では、未処理で品位を高めていない鉱石つまり粗鉱と、廃石とに分別。さらに選鉱の工程では、粗鉱の品位と形状が製錬原料に適した状態に仕上げられますが、その際にも不用鉱物が取り除かれて品位が高められた精鉱と呼ばれる鉱石と、廃石に分けられます。
九州では主に炭鉱から出る物をぼた、北海道などの鉱山では主にずりと呼ばれ、捨石と呼ばれることもあります。建築物を取り壊すなどした際に不用になった石片も、廃石と呼ばれます。
大量に掘削された廃石の有効利用とは
廃石は、事業活動に伴って発生した産業廃棄物としての分類では、一般的に不良鉱石、不良石炭として主に鉱さいの項目に分類されます。
主に露天採掘跡、谷間、平地などに堆積して廃棄される他、塊ないし粒状の物は骨材として利用される場合が多くあります。また、砂状粒子は充填採鉱法を採用している鉱山で、坑内採掘跡の充填材として用いられます。
鉱山で発生する廃石の一部は、鉄道の路盤材、道路舗装材、坑内充てん材などとして利用されていますが、余った分は扞止堤と呼ばれるテーリングダムに堆積。廃石や鉱さい、沈殿物は扞止堤などを有する堆積場に堆積することが法律によって義務付けられています。また、炭鉱で発生する廃石は坑内充てん材として利用されるものを除き、その他は廃棄処分されます。その処分のために形成された廃石の山はボタ山とも言われます。
なお、非鉄金属鉱山では、採掘された原鉱の90%以上を廃石が占めるとも言われ、その処分場所の確保が近年は課題になっています。
廃石の処理および有効利用に関しては、産業廃棄物処理の課題の一つとして、多方面で検討が進んでいます。