廃タイヤ(はいたいや)
目次
タイヤの適正処理先とは
廃タイヤ、つまり自動車用の廃ゴムタイヤは、廃棄物処理法によって適正処理困難物に指定されているため、通常、自治体の粗大ごみや資源ごみ、不燃ごみなどとして処分してもらうことはできません。自治体の施設では適正に処分することが困難な廃棄物であると指定されているので、一般廃棄物処分業の許可を得た業者や、タイヤ販売店、カー用品店などのタイヤ・自動車業界において処分する必要があります。
廃タイヤを回収してくれる場所
最も一般的なケースでは、新しいタイヤと交換する時に有料で引き取ってもらう方法です。カー用品店やタイヤ販売店の他、ガソリンスタンドやカーディーラーなどに依頼すれば、交換時に引き取ってくれます。
また、新品のタイヤを購入するタイミング以外にも、自宅に放置している冬用のスタッドレスタイヤなどを処分したい場合、自身で持ち込むことができるのなら、カー用品店やタイヤ販売店、ガソリンスタンドやカーディーラーで引き取ってもらうことが可能です。
自分自身で店舗などへの持ち込みが難しいケースには、不用品回収業者に依頼することも一つの方法です。自宅まで回収に来てもらえるので、手間や時間が省けますが、出張分なども含めて料金的にはやや割高になるケースが多いでしょう。
また使用頻度が低く、新品同様の状態であり、かつホイールが付いたものであれば、リサイクル業者などで買い取ってもらえる可能性もあります。その他、オークションサイトやフリマアプリなどを活用して自分自身で販売する方法も。年数や状態、メーカー、型式などによっては高値で販売できるケースもあるようです。
燃料、再生ゴム、ファッションアイテムなど再利用進む
廃タイヤは、新しいタイヤとして蘇ったり、燃料として使われたり、加工されたりと、様々なリサイクル方法で再利用されています。
一般社団法人日本自動車タイヤ協会によると、2018年(1~12月)の日本国内における廃タイヤ(使用済みタイヤ)の発生量は、「タイヤ取替え時」「廃車時」の合計で、本数にすると9,600万本、重量で103万2,000トン。前年と比較して本数で100万本減少、重量で2,000トン減少しました。その中で、リサイクル利用量は、合計で99万7,000トンと前年より3万2,000トン増加。リサイクル率は97%と4ポイント上昇しました。
廃タイヤのリサイクル方法の一つとして、燃料エネルギーとして活用されるという方法が挙げられます。製品を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収し、燃料として再利用、サーマルリサイクルします。タイヤの熱エネルギーは、セメント焼成や製鉄、製紙などに重宝されています。
その他にも再び加工されて新品のタイヤとして生まれ変わる、再生ゴムの原料として使う、バッグやアクセサリーなどのファッションアイテムやインテリアの一部として利用されるなど、廃タイヤは様々な形で生まれ変わり、私たちの生活で再利用されているのです。