ワンウェイ容器(わんうぇいようき)
目次
ワンウェイ容器とは?環境に優しい容器の必要性
ワンウェイ容器とは、その形状のまま再使用されない容器のことです。一回使用された後、ごみまたは資源として市町村により回収されます。リターナブル容器の反対語であり、スチール缶、アルミ缶、ペットボトル、回収システムのないガラスびん等がこれにあたります。商品の多様化にともない、ワンウェイ容器は種類、量ともに増加傾向にありますが、1970年頃には使用後に販売店に返し、メーカーや洗びん業者で洗浄した後、再使用するリターナブル容器が多く使われていました。
1970年以降、スチール缶が増え、1980年代後半からはアルミ缶が増加していきます。はじめはこれらのほとんどがごみになっていましたが、自然に戻る素材ではありませんし、貴重な資源の無駄遣いになってしまいます。そこでリサイクルの仕組み作りのため、多くの市民にも協力を得て、1990年代にはほとんどの自治体で資源回収が行われるようになりました。こうして空き缶リサイクルが定着する頃、ガラスびんにおいてもリターナブル容器ではないワンウェイびんが増えてきます。そして1990年代後半からはペットボトルの利用が増え、今では飲料容器の主役になっています。
ワンウェイ容器が増加した背景とは
ビールびん、一升びんなど繰り返し使えるリターナブル容器が減少し、それに代わって缶やペットボトルに代表されるワンウェイ容器が増加した理由としては、消費者のライフスタイルの変化が挙げられます。具体的には、まず商品の多品種化に伴い、容器も多品種化し、さらにワンウェイ容器の製造費や購入費が低下したこと。そして、販売購入の形態が変化したこと。酒販店など小売店の御用聞き・宅配から、スーパーマーケット、ディスカウントストア、冷蔵され、当日飲む分のみ購入可能なコンビニエンスストアへと購入場所が変わっていき、ワンウェイ容器がどんどん広まっていきました。核家族化・少人数世帯化が進み、リターナブル容器のシステムを回していく上でポイントとなる、ケース単位での購入が衰退したこともリターナブル容器が減った原因といえるでしょう。
増え続けるワンウェイびん、今後の展開は
リターナブル容器の代表格であるびん製品ですが、このガラスびんにおいても、一度使ったらごみや資源となるワンウェイびんが増えています。ワンウェイびんは資源ごみや集団回収、酒販店などで回収されると、業者により無色・茶色・その他の色に分別され、洗って異物を取り除いてから細かく砕かれます。この砕かれたガラスはカレットと呼ばれ、カレットは高温で溶かすことにより、もう一度ガラスびんの原料になります。他の物質に変化したり劣化したりせずに、ガラス容器として何度でも再生できるのです。
ゆえにワンウェイびんは、リターナブルびんのように原型のまま洗浄されて再使用しないという観点から比較すると環境負荷は大きくはなりますが、持続可能な社会を目指してリサイクルを進める上では、評価の高い容器となっています。
一方、今やワンウェイ容器の主役となったペットボトルは、1995年から2015年までの20年間で、消費が3.9倍に増えています。この急激な増加にリサイクルが追い付かず、放置されているものも多く、全国各地でたまり続けています。PETボトルリサイクル推進協議会の2017年度年次報告書のデータによれば、日本国内で回収されているペットボトルの4割以上が海外に持ち出されてリサイクルされていました。環境先進国であるドイツで1986年にリターナブルPETボトルが導入されて以来、欧米では繰り返し使えるペットボトルも広まってはいますが、日本での普及はまだまだ難しいのが現状です。
ペットボトルを買わなくてすむように、外出時には「マイボトル」に飲み物を入れて持って行くなど、廃棄するペットボトルを減らす意識を持つことも大切だといえるでしょう。