データ消去(でーたしょうきょ)
目次
データ消去の必要性とは
データ消去とは、パソコンのハードディスクやスマホに入っている情報を完全に読めなくすることをいいます。「情報」とは、メールの内容やメールアドレス、音楽ファイル、写真、メモ帳やエクセル・ワードデータなどのこと。銀行やamazonといったウェブ上の会員情報、ホームページの閲覧履歴、各種パスワードなども情報です。パソコンやスマホを使用していた状態のまま廃棄・譲渡すると、こういった記憶媒体の情報を第三者に読み取られ、悪用される恐れがあります。
そのため、重要なデータや機密情報の流出を防ぐために、すべてのデータを消去する必要があるのです。ただ、パソコンのハードディスクやスマホに書き込まれたデータを消去するというのはそれほど簡単ではありません。
データ消去をしたつもりが、復元できてしまう場合も!?
パソコンやスマホで「データを消去する」という場合、以下のような作業を行うのが一般的です。
・データを「ごみ箱」に捨てる
・「削除」の操作を行う
・「ゴミ箱を空にする」操作を行って消去する
・初期化する
・パソコンを工場出荷前状態に戻す、スマホをリセットする
実は、いずれの作業をしても、完全にはデータ消去ができていません。「ごみ箱」にデータを捨てた場合は、OSのもとでファイルの復元が可能です。その他の操作をした場合も、ハードディスク内などに記録されたデータのファイル管理情報が変更されるだけで、実際はデータが見えなくなっているだけの場合があり、これらのデータも復元できてしまいます。つまり一見データが消去されたように思えても、ただ単にOS上でデータを呼び戻す処理ができなくなっただけなので、悪意のある人により、データ回復の特殊なソフトウェアを使ってパソコンのハードディスク内やスマホの重要なデータが読み取られ、予期しない用途に利用される恐れがあるのです。
パソコン、スマホ・・・データを完全に消去するには?
個人情報などを悪用されないためにも、使わなくなったパソコンやスマホは、記録された全データを、ユーザーの責任において完全に消去する必要があります。その方法について説明します。
まず一つはソフトウェア消去。ハードディスクなどにある情報を上書きすることでデータを完全に消去するという方法です。パソコンやスマホが正常に動作する場合はこの方法が有効です。多くのパソコンメーカーはこのデータ消去ソフトを提供しており、パソコンに最初から組み込まれているか、パソコン購入時に付いてくるリカバリーCDに機能が入っています。フリーソフトや有料のソフトもあります。
スマホの場合は特殊な「リセット」を行います。スマホの入っているデータを暗号化してからリセットすることで、解読不可能な状態にしてしまうのです。iPhone・iPad、Androidともに、それぞれの手順に従い自分で行うことができます。また、消磁装置によりデータ消去を行うという方法も。ハードディスクなどの記録媒体を強磁気で消磁するというやり方で、媒体が壊れている場合にも消去が可能となります。消磁装置は高価な機械なので、一般的にはデータ消去サービスを提供している会社からサービスを受けます。さらに、データが記憶されているハードディスクやフラッシュメモリーを物理的に破壊することで情報を抹消するという方法があります。最近ではパソコンの量販店でもこの方式でサービスを提供するところがあるようです。スマホの場合、docomo、softbankなどキャリアによっては、ショップに持参すると専用装置で破壊してもらえるケースもあります。
なお、データ消去を自分で行う自信がない場合、なるべく確実に行いたい場合などには、専門の業者に依頼するのがおすすめです。業者を選ぶ際は、セキュリティーがしっかりしていること、どのような消去方法で行うかをしっかり説明していること、事前に料金がわかることをポイントにしてください。