コンポスト(こんぽすと)
目次
コンポストとは
コンポストとは、微生物によって有機物を分解発酵した堆肥そのもの、または有機物を微生物の働きで分解させて堆肥にする処理方法を意味します。本来は、園芸用の配合土や堆肥を指して使われていましたが、近年はごみなど有機性の廃棄物を堆積発酵・腐熟させたものがコンポストと呼ばれるようになっています。
コンポストは、増加するごみの減量化、有効活用法として、省資源につながるほか、化学肥料に頼らない有機農業への利用という観点からも注目されています。生ごみや枯れ葉をはじめ、下水や浄化槽の汚泥、家畜のふん尿、農産物廃棄物などまで、さまざまな物が原料としてコンポストへ再利用できます。
コンポスト作りのポイント
コンポストの普及の背景には、ガーデニングや家庭菜園の人気も一因と言えそうです。家庭から出た生ごみをコンポスト化できれば、ごみの排出量を減らし、植物や野菜を育てるために必要な堆肥も手作りできて一石二鳥。ただし、生ごみを肥料にするには、ある程度の時間が必要です。効率的に堆肥化する方法ではあるものの、完成するまでには目安として2カ月から半年以上。また、材料の準備や、微生物が生ごみを分解発酵するための環境条件を整えたり、生ごみを投入後も毎日の手間がかかったりする場合もあります。匂いや虫の対策も必要となることから、日々の小さな変化を楽しみながら、じっくり取り組むことがコンポスト作りの重要なポイントになりそうです。
最も手軽に始められる方法は、段ボールコンポスト。段ボール箱に土壌改良剤を入れ、好気性微生物の力によって生ごみを分解し、堆肥を作るものです。匂いの発生も少なく、場所もそれほど取らないため、集合住宅のベランダなどでも実践することができます。
コンポストと助成金
ごみ処理に悩む地域では、コンポストによりごみの減量化が進むことから、コンポスト器具の購入に助成金を出す自治体もあります。また、生ごみを堆肥化する講座を開いて、家庭から出るごみの削減に取り組む自治体もあり、学びの場も広がっています。補助金制度や小学校の環境学習など取り組みなどが広がりを見せています。