グリーン購入(ぐりーんこうにゅう)
目次
環境のための「グリーン購入」とは
グリーン購入とは、製品やサービスを購入する際に、環境を考慮し、必要性をよく考えて、環境への負荷ができるだけ少ない物を選んで購入することと定義されています。
環境汚染、資源の枯渇、廃棄物処理といった環境問題は、大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済活動に起因しています。限りある資源を持続的に活用し、次の世代に引き継いでいくためには、経済社会の在り方そのものを見直すことが不可欠であると考えられています。
その取り組みの一端として、日本では2000年に「グリーン購入法」が制定されました。(施行は2001年4月)
この法律は、国などの機関にグリーン購入を義務づけるとともに、地方公共団体や事業者、そして国民にもグリーン購入に努めることを求めるものです。
消費生活など、購入者自身の活動だけでなく、供給側の企業に環境負荷の少ない製品の開発を促すことも、グリーン購入法の狙いです。これにより、経済活動全体を環境にやさしいものへと変えていくことが期待されています。
グリーン購入よりも優先されるべきは
グリーン購入は、購入者の消費行動を環境に配慮したものにすることで、供給者に環境負荷の少ない製品の開発を促し、経済活動全体を環境配慮型へ変えていくための取り組みですが、最も重視されるべきは、調達する物品の総量を増加させないことです。
調達量そのものを抑制することが、最も優先されなければならないと考えられています。まずは、調達したものを長期的に適正に使用し、分別廃棄を順守することで、環境負荷を低減していくことの重要性を訴えています。
社会面や経済面にもさまざまな波及効果を期待
グリーン購入は、環境面において省資源や省エネルギー、温室効果ガスの削減、廃棄物の削減など、さまざまな負荷の低減を実現しています。その他にも、社会面では、環境物品の消費が進むことにより、有害化学物質の使用量削減による労働環境の改善、生活の質、環境意識の向上などにつながります。また経済面では、環境技術の発展、環境配慮型製品の市場拡大、国際競争力の強化、さらには長期的な節約への期待も高まっています。
国際社会では、2015年の国際サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、持続可能な消費と生産形態の確保が、持続可能な開発目標の一つに盛り込まれました。これを受けて、日本はグリーン購入の促進に注力。環境負荷の少ない持続可能な社会を構築する手段の一つとして、その重要性が再認識されました。
グリーン購入法の適合商品は、「グリーン購入ネットワーク」が運営する「エコ商品ねっと」のホームページで調べることができます。(https://www.gpn.jp/econet/)