廃材(はいざい)
目次
廃材の定義とは
廃材とは、不用な物として廃棄された材木・材料のことで、産業廃棄物です。建物の解体工事によって出たコンクリートの破片・れんがの破片・その他各種の廃材の混合物を含みますが、土地造成のための土砂などは除きます。
以前は、解体された廃材はすべてごみとなっていましたが、環境配慮型社会を目指す上で再利用への意識が高まり、現在では法律で再資源化が義務付けられています。正式名称を「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」といい、建設リサイクル法と呼ばれています。2000年5月に交付、2002年5月から施行されました。この法律では特定建設資材の再資源化率目標値を95%と設定。再資源化率の実態についても各県から公表されており、木材に関しても85~90%という高い割合でリサイクルが行われています。
廃材の再利用で環境にやさしい解体工事を
解体工事は建設リサイクル法の規定に沿って行われ、大量の木くず、金属くずといった資材のほとんどがリサイクルされます。通常は、瓦、柱、基礎コンクリートといった品目ごとに分別されてトラックに積み込まれ、収集運搬業者によって中間処理施設まで運ばれます。そこでリサイクル可能かどうかさらに細かく分別が行われて加工され、木材であればウッドチップや肥料、ペレット燃料、コンクリートであれば舗装用の骨材、再生砂利の原料と、新たな形に生まれ変わることになります。
ただ、現場から出る廃材がそのまま使えない場合も多く、例えば釘や金具が付いたままになっている柱は、異物を取り除くなど手間をかけなくてはなりません。リサイクルできない物は最終処分場へ運搬され、その後埋め立てられます。一戸建ての木造住宅を解体した場合、約7割は再利用されています。廃材を適正に処理することで、不法投棄を防ぎ、環境にやさしい解体工事を実現できるのです。
廃材に新たな価値を与える取り組みに注目
人口減少や高齢化、過疎問題などによって年々空き家が増加している昨今。老朽化した空き家が解体された時に出る廃材(とくに古材)に、新たな価値を吹き込む活動やビジネスも多く生まれ、新しい動きとして注目されています。人気が高まっているDIYを楽しむための素材として廃材を販売したり、廃材を用いた家具や雑貨、バッグやアクセサリーなど、デザイン力を武器にさまざまな魅力的なアイテムを提案したりするケースも。廃材を用いて斬新な作品を生み出すアーティストも多く存在し、人気を集めています。
一度は世の中で見捨てられてしまった物に創造性を持って命を吹き込み、もう一度世の中に出していく。そんな取り組みの数々は、廃材の持つ大きな可能性を感じさせてくれます。廃材を活用してモノづくりを行うワークショップなども各地で行われているので、参加してみるのも良いでしょう。