ポリごみ(ぽりごみ)
目次
ポリごみの「ポリ」とは何の略?
海洋汚染など、世界的に廃棄問題が取り沙汰され、利用廃止の動きが高まっているプラスチック。プラスチックごみの中には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなど、さまざまな材質が含まれています。
プラスチック識別表示として、例えば液体洗剤などの容器に表示されているプラマークの説明に、「PE」の表記が添えられている物はポリエチレン、キャップの「PP」はポリプロピレン。2種類以上の材質で構成されている場合は、最も重量が多い材質に下線が引かれますので、麺製品などのプラマークに表記されている例「外装:PE,PP」はポリエチレンとポリプロピレンの複合で、ポリエチレンが主材料です。「内装:PE,PA」はポリエチレンとポリアミドの複合で、ポリエチレンが主材料という意味になります。また、飲料用ペットボトルなどに見られる「ラベル:PS」は、ポリスチレンを表しています。
JIS(日本工業規格)の略語を用いた材料表記、その種類
プラスチックの材料に関する表記は、法律で義務付けられているわけではありませんが、大半の商品では自主的に表示されていることが一般的なので、表示に注目してみましょう。材質の表示はJIS(日本工業規格)で定められた略語が用いられることが通例で、ポリごみに関しては、下記のような記号が使われています。
ポリエチレン・・・PE
ポリプロピレン・・PP
ポリスチレン・・PS
ポリエチレンテレフタレート(ペット)・・PET
ポリアミド(ナイロン)・・・PA
ポリカーボネート・・・PC
ポリ塩化ビニル(塩ビ)・・・PVC
ポリ塩化ビニリデン・・・PVDC
ポリアミド(ナイロン)・・・PA
ポリブチレンテレフタレート・・・PBT
ポリメチルペンテン・・・PMP
それぞれの「ポリ」の特性とは
中でも容器包装によく使われる主なプラスチックにはポリエチレン、ポリプロプレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)が挙げられます。水より軽く、耐水性、耐薬品性などに優れるポリエチレンには、環境適正に優れ、袋やラップフィルム、食品チューブなどに使われる低密度ポリエチレンと、耐熱性に富んでおり、包装フィルムやシャンプー・リンスなどの容器に活用される高密度ポリエチレンがあります。
ポリプロプレンは耐熱性、機械的強度に優れており、包装フィルムやキャップ、トレイなどが主な用途。着色が容易で電気絶縁性が良いポリスチレンは、CDケースなどの使用例の他、軽くて剛性がある発砲ポリスチレン食品用トレイ、カップ麺容器などに使われます。またラップフィルムなどに使われるポリ塩化ビニルも、プラスチック製容器包装の代表例です。
このようにプラスチック製容器には、内容物を持ち運ぶという役割の他にも、品質の保持などさまざまな機能が求められます。そこで、数種類のプラスチックや、プラスチック以外の素材と組み合わせることで、機能と安全性などを兼ね備え、ごみの減量化も実現できるよう開発されています。