環境共生住宅認定制度(かんきょうきょうせいじゅうたくにんていせいど)
目次
そもそも環境共生住宅とは??
認定制度の運営を行っている一般財団法人建築環境・省エネルギー機構によると、環境共生住宅は「地球環境を保全するという観点から、エネルギー・資源・廃棄物などの面で充分な配慮がなされ、また周辺の自然環境と親密に美しく調和し、住み手が主体的に係りながら、健康で快適に生活できるよう工夫された住宅、およびその地域環境」と定義されています。
制度発足の背景には、地球規模で環境への取り組みの必要性が強く求められてきたことが挙げられます。1990年10月、日本政府は「地域温暖化防止計画」を決定しました。これを受け、当時の建設省(現:国土交通省)では住宅分野での省エネルギー施策と併行して、「地球環境の保全」、「地域環境との親和性」及び「室内環境の健康・快適」の3つの環境問題を包括した「環境共生住宅」の研究に着手。その後、より実質的な技術開発・調査や普及・啓発活動が進み、1999年からこの制度による認定事業が始まりました。制度の対象となるのは、認定基準を満たす住宅または複数の住宅で構成される共同住宅・住宅団地です。認定取得後は、その住宅のカタログや広告などにマークや認定番号などを表示できることになっています。
具体的にはどのような基準があるのか
環境共生住宅は、地球環境の保全を目指した物であることはもちろん、そこに住む人々の暮らしやすさや安心、快適性、さらに地域環境にも十分配慮した物です。断熱材などを利用した省エネルギー住宅や、太陽光発電システムなど自然エネルギーの活用、廃棄物の削減や資源化など、環境への負荷を軽減する対策が採られているかどうか。そして、地震や台風など災害に強いかどうか。アレルギーやシックハウス症候群に対する配慮がされているかどうか。また、バリアフリー対策など高齢者にも住み心地のよい工夫がされているかどうか。その住まいが周辺環境の景観を損なわないものかどうかなどさまざまな観点が認定の基準となります。これ以外にも認定の基準は、住居空間からその周辺環境まで幅広い範囲に及びます。
住む人に寄り添いながら、環境に配慮した住宅づくりを日本全体で進めていくことで、地球規模の環境保全を目指すこの制度。あらゆる視点から地球にやさしい配慮がなされた住宅は、住む人のライフデザインに寄り添う住み心地の良さも兼ね備えた住まいとして、エコロジーな暮らしへの関心の高まりと共に需要が高まっています。