ISO14001シリーズ(あいえすおー)
目次
国際規格「ISO」の14001シリーズとは
ISO14001シリーズは、サスティナビリティ(持続可能性)の考えのもと、環境リスクの低減や環境への貢献を目指す環境マネジメントシステムを示す規格のこと。国際標準化機構(ISO)が発行しています。
発行が始まったのは1996年。契機となったのは、1992年に行われた地球サミットです。事業者の環境マネジメントに関する関心は、「持続可能な開発」を実現する手法の一つとして、このサミットの前後から高まっていました。国際商工会議所(ICC)や、持続可能な開発のための経済人会議(BCSD)、欧州連合(EU)など、さまざまな組織で検討が始まり、国際標準化機構(ISO)も規格を策定。環境マネジメントシステムを中心に環境監査、環境パフォーマンス評価、環境ラベル、ライフサイクルアセスメントなど、環境マネジメントを支援するさまざまな手法に関する規格から構成されています。
環境マネジメントシステムとは
組織や事業者が、その運営や経営の中で環境に関する方針や目標を設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくことを「環境管理」または「環境マネジメント」といいます。「環境マネジメントシステム」は、その方針や目標を達成する仕組みのことを指しています。また、自主的な環境管理の取り組みについて、客観的な立場から審査を行うことを「環境監査」といいます。
地球の環境問題が深刻化している今、組織が持続的な発展をしていくために、事業者は経済社会活動のあらゆる局面で、環境への負荷を減らすことが重要な課題となっています。環境マネジメントや環境監査に取り組むことは、企業の活動、製品やサービスによって生まれる環境負荷や環境リスクの低減に直結します。また、負荷やリスクを予防する施策など、改善を重ねることで、環境に配慮した事業活動を持続することにつながります。
ISO認証を取得することのメリット
ISO認証の取得効果には、社会的な信頼、第三者の視点による問題の発見、継続的な改善が挙げられます。これに加え、ISO14001には、環境リスクの低減・回避、省エネルギー・省資源によるコスト削減、法令順守(コンプライアンス)の推進、KPI(キーパフォーマンス指標)の管理、継続的な改善による企業価値の向上、海外企業を含む取引要件の達成など、社会貢献のみならず、組織や事業者にとって、さまざまな利益を期待することができます。
実際に、環境意識は消費者レベルでも急速に高まっていることから、業種を問わず、環境経営の強化はあらゆる事業者の重要課題になっています。こういった社会背景からも、ISO14001の認証取得は、業種を問わず数多くの企業・組織が取り組み、運用・活用を進めています。