検案(けんあん)
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「検案」とは?
検案とは「1.形跡や状況などを調べ考えること。2.医師の診察を受けずに死亡した者の死体について、死亡事実を医学的に確認すること。(デジタル大辞泉)」。つまり、医師が生前に診療していた患者が亡くなった時に死亡を確認するのとは異なり、自宅など、病院以外の場所で亡くなった方の死因などを医師が確認する行為を検案と言います。
通常、人が亡くなった場合は役所に死亡届を提出しなければ、埋葬や火葬の許可が下りません。死亡届を提出するには、死亡診断書が必要になりますが、検案が行われるようなケースでは、死体検案書も併せて提出しなければいけません。検案の結果、異状死ではないと判断されると、医師によって死体検案書が作成されるので、死亡診断書と一緒に役所に提出することで、死亡届を出すことができます。
在宅死の場合は、まずどこに連絡するべき?
病院での死亡でないケースでも、在宅介護や在宅医療などを行っており、かかりつけの医師がいる場合には、かかりつけの医師に連絡をするのが良いでしょう。かかりつけの医師がいない場合には、近隣の医療機関に連絡を。また、事件性が疑われる場合や判断に迷う際には、まず警察に連絡するのが先決でしょう。
異状死の届け出と検案・解剖などの関係については、まず死亡者が診療継続中だったかどうかに分類されます。診療中の患者でかつ死亡の原因が診療中の疾病と関連したものであると判断されれば、通常の死亡診断書が発行されます。
診療中の患者ではないケースでは、異状があると認められなければ、死体検案書を医師が発行。異常が認められる場合、つまり事件性が疑われる場合には、24時間以内に所管警察署へ提出することが義務付けられています。
異状死の場合に行われること
警察が犯罪死を疑う場合には検視、鑑定、つまり司法解剖などを経て、医師が死体検案書を発行。明らかに犯罪死であるとされる場合には、捜査段階での検証、実況見分、鑑定などを経ることになります。
一方、検視の結果、非犯罪死であることが確認されれば、監察医による検案・解剖、もしくは監察医制度のない地域では医師による検案、つまり行政解剖が行われ、死体検案書を発行するという流れになります。
いずれにしても自宅での異状死などの場合は、医師と警察が連携して、死因や死亡時刻などを解明することになります。