2016/03/08 生前整理・終活
エンディングノートというものをご存じでしょうか。
数年前に映画で取り上げられてから一般的に広まったと言えます。
最近ではその認知度も高くなり、文具売り場や書店などで扱っているところも多く、現在では様々なタイプのものが販売されています。
エンディングノートは、そのまま訳すと「最後の記」ということなのですが、自分の今までの人生を振り返っての記録や自分の覚書、また家族に伝えておきたい情報など何を書いても良い、つまり自由に書き綴ることができるノートです。
もちろん、家族や親しい人に向けたメッセージでも良いのです。
各社から出されているものを比較してみると、その内容に大きな違いはありませんが、様式は様々あります。
エンディングノートにはあらかじめ書く欄が決められている物もあり、何から書き出したら良いのかが分からない時には、ノートの欄を順に埋めていけばよいのでとても便利です。
また、エンディングノートは自分にとっても家族にとってもメリットがあります。
もし自分に万が一のことがあった時に、これがあれば家族が困りません。
突然のことに何がどこにあるのかわからない、どのようなことを望んでいたのかわからない、などと家族が困ることをよく耳にしますが、そういったことを減らすことができます。
さらに、亡くなった後、どうしてほいいのかの希望を書いたり、亡くならなくても意志を伝えられなくなった場合の治療や告知についての希望を書いたりすることが可能です。
それには、終末治療や臓器提供なども含み、お葬式や埋葬などにも言及できます。
また情報社会である現代は、パソコンのアカウントやデータの処分方法などの希望も記載できます。
また、自分にとっては、年齢とともに起こる物忘れから情報を守ることができます。
大切な人の住所や連絡先などをひとつにまとめておけば、日常生活を送るうえでも役に立ちます。
そして、生前にはなかなか伝えることが出来なかった家族への思いや愛情を伝えることができることも大きなメリットです。
もちろん、家族が困らないようにという気持ちで綴ること自体が家族への愛情ではありますが、今までの感謝の気持ちや家族ひとりひとりへの思いを残すことができれば、家族にとっての悲しみを少しでも癒し、前向きに生きていく力になるのです。
このように自分史、自分の備忘録、家族への伝達事項や思いと自分なりに自由に書けるエンディングノートですが、遺言書との大きな違いは法的な効力がないということです。
財産や資産についても書くことができますが、それは単に意志を伝えるというところにとどまります。
正式文書ではないので、書き直しも自由です。それぞれの特徴を理解して上手に活用しましょう。