2022/09/20 不用品回収
揚げ物をした後の油やオイル交換をして出た古いエンジンオイルなど、油の処分方法をご存じでしょうか。
実は油の種類ごとに処分方法が少しずつ違っています。
油の種類によっては、流してしまうと排水溝で油が冷えて固まってしまい、トラブルになる可能性があります。
また固まった油が下水に流れると、悪臭やつまりの原因にもなります。
油はそのままシンクへ流さず、固めたり紙などで吸ったり回収してもらうなどして、それぞれの自治体の方法に沿った正しい処分方法をしましょう。
この記事では意外と知られていない油の処分方法について解説します。
目次
家庭からゴミとして出る油は主に3種類
家庭からゴミとして出る油は主に3種類
一般的な家庭からごみとして出る油は、主に3種類です。
どれも生活するうえで馴染み深く、名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
油は我々の生活に不可欠ですが、処分に困ることが悩みの種です。
まずは家庭から出る油の特徴を押さえましょう。
各油についての処理の仕方は後述します。
①植物性油|固まりにくく処理が必要
植物性油は、原料により次のように区別されます。
油糧種子(大豆・なたね・ごま・綿実・あまに等)から抽出したもの
農産物の副産物(米ぬか・とうもろこし胚芽)から抽出したもの
海外から輸入した油(パーム油・オリーブ油・ひまわり油・ひまし油等
植物性油は融点が低く常温では液体です。
その特性上、固まりにくいので処理が必要です。
②動物性油|常温で固まり排水口が詰まる原因に
動物性油は、次のように区別されます。
ラード(豚脂)は豚の脂肪を精製して作られる食用脂
牛脂は牛の脂肪を精製して固めた食用脂
魚油はサバ・カツオ・イワシ等の青魚に多く含まれる油
そのまま排水口に流すと油が周りに固まり水が詰まります。
なぜなら、動物性油は、油の融点が高く常温では固体になるためです。
③石油系油|家庭では処理が難しい
エンジンオイルは石油系に含まれます。
エンジンオイルとは、エンジンに使われる潤滑油のことで、ベースオイル(化学合成油・部分合成油・鉱物油)に添加剤を含めたものです。
エンジンオイルは家庭では処理が難しく処分の仕方が煩雑です。
後に詳細を解説します。
油を処分する前に知っておきたい2つのこと
油を処分する前に知っておきたい2つのこと
油を処分する方法について、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
「よくわからないし面倒だから排水口に流してしまおう」と、考える方もいるかもしれませんが、排水口に油を流してしまうと、問題が発生する可能性があります。
この章では、食用油の処理方法と、排水溝に流してしまった際の問題について解説します。
①食用油の分別方法は自治体によって違う
食用油は基本的に可燃ごみとして回収されます。
ただし、自治体によっては資源ごみとして扱う場合もあるため、事前に確認する必要があります。
可燃ごみとして処分してよい場合、以下の5つの方法が簡単です。
ペーパータオルや新聞紙に油を吸わせる
牛乳パックに新聞紙を詰め込み油を染み込ませる
牛乳パックで足りない場合はポリ袋を使う
凝固剤で油を固める
片栗粉で油を固める
なお、暑い夏などは自然発火のおそれもあるため、新聞紙やタオルには水を少し染み込ませる必要があります。
②絶対にそのまま排水口へ捨ててはいけない
面倒だからといって、油をそのまま排水口に流すことは絶対にしてはいけません。
排水口に油をそのまま注いでしまうと、動植物性油が冷え固まり排水管が詰まらせるほか、悪臭の原因となる可能性があります。
また、下水処理施設での処理を妨げ、環境汚染につながる可能性もあります。
植物性の油を処分する3つの方法と再利用
植物性の油を処分する3つの方法と再利用
植物性の油は大きく分けて3種類の処分方法があります。種類に合わせて、処分方法を変えましょう。
①量が少ない場合は新聞紙を使う
1つ目は油の量が少なかった場合、新聞紙や紙類で油を吸い取ってそのまま可燃ごみとして捨てる方法です。
近年は揚げ物をする際、少ない油の量で調理をすることが多くなってきました。
量が少なければキッチンペーパーや新聞紙などに吸わせてから可燃ごみとして捨てられます。
また、キッチンペーパーや新聞紙では処分できない量であっても、固化材で油を固めれば、そのまま可燃ごみとして捨てられます。
②容器に入れて無料で回収してくれるスーパーへ
2つ目は無料で油を回収してもらえるスーパーに持って行くことです。
ある程度油が冷えてから、ペットボトルや瓶などに入れてスーパーに持って行きます。
こちらの方法は一般的に市などで勧められている処分方法です。
回収された油はディーゼル車のガソリン、軽油として生まれ変わります。
③自治体に回収してもらう
3つ目の方法として使用後の油を冷ましてからペットボトル等に入れて、市指定の回収日に持って行きます。
この場合も漏れないようペットボトル等に入れてから回収してもらいましょう。
地域次第ではこの方法で回収してもらえます。
わからない場合は、各自治体に確認したり調べてみたりするとよいでしょう。
④すぐに処分せず再利用することも可能
植物性の油は数週間であれば再利用ができます。
普段の料理の炒め物などにも使えるため、オイルポットなどに揚げた後のカスなどをろ過してから、保管しておくことも一つの方法です。
熱した際に焦げ臭かったり粘度が高くなると、消費期限のサインなので参考にしてください。
良好な状態で保存して長く再利用する方法
1度封を開けた油は酸化と劣化が進行するため、それらを防ぐことができればよい状態で再利用を続けられます。
油を再利用する際のポイントは以下です。
使用した油にあるカスを取る
密封できる容器に入れて冷暗所に保管
なるべく早く使い切る
使えなくなった油の見極め方
1度使った油の再利用は3〜4回が目安です。
ただし、使用する食材によって、使用回数の目安は変わります。
例えば、肉や魚を使った揚げ物は素材から出てくる成分が油を汚れやすくし、逆に野菜の素揚げや天ぷらであれば、比較的きれいな状態で油を再利用できます。
ただし、以下の状態であれば油が酸化し劣化している可能性が高いため、再利用をやめて廃棄しましょう。
色が濃く、褐色になっている
不快なにおいがする
粘り気が強くドロドロになっている
その他植物性油以外の処分方法
その他植物性油以外の処分方法
動物性の油(ラード)などその他植物性以外の油は基本的に市では回収をしてもらえません。
恐らく大量に出ることは少ないかもしれませんが、こちらも保管をして炒め物などの料理に再使用して消費するとよいでしょう。
エンジンオイルとは
エンジンオイルとは、バイクや車に使用される潤滑油のことです。
オイルは熱に反応して、発火する可能性がありますが、エンジンオイルには普通のエンジン温度では発火しないオイルが使用されています。
エンジンオイルの取扱注意点と、廃棄の方法をご紹介します。
絶対やってはいけないこと
以下のような廃棄の仕方は水質汚濁防止法や廃棄物処理法により処罰の対象にもなります。
①下水、河川、排水溝などに流し捨てること
エンジンオイルを下水処理場で処理することは困難です。
自宅の下水に流すと配管が詰まって機能しなくなり、集合住宅の場合は他の住人にも迷惑をかけます。
河川や排水溝への廃棄は、深刻な環境汚染と生態系の破壊を招きます。
②土壌に染み込ませること
土壌汚染や地下水への水質汚染につながります。
③山林や人のいない場所への投棄
瓶・缶・プラスチックボトルなどにエンジンオイルを入れて投棄をすることは、不法投棄として扱われます。
オイル缶の廃棄方法は?
オイルが入っていた缶の廃棄方法にはどのようなものがあるでしょうか。
小さい飲料缶のようにコンパクトに畳むことが難しいため、廃棄の手順を確認しておきましょう。
資源ごみの日に処分する
缶のゴミは、アルミ缶・スチール缶ともに資源ごみに分類されます。
お住まいの自治体が発表している、ゴミ回収スケジュールを確認し、資源ごみ回収の日に処分しましょう。
アルミ・スチール以外の鉄製容器の場合は「その他不燃物」に該当します。
オイル缶を処分する手順
オイル缶を処分する際には、初めに缶に残ったオイルを缶から拭い去ることが大切です。
残っているオイルが多量にある場合は
・新聞紙を細かく裁断したものに吸わせる
・ホームセンターでも入手できる廃油処理パックを使用して固める
などして処理します。
オイルを含ませた新聞紙や処理パックは可燃ごみとして捨てられますが、自治体によっては燃えないゴミに分類されることもあります。
また、車・バイク専門店でオイルごと買い取りや引き取りをしている店舗もあるため、近隣で探してみてもよいでしょう。
無料もある?エンジンオイルの処分方法3つ
無料もある?エンジンオイルの処分方法3つ
エンジンオイルも市の回収では受け付けていないことがほとんどです。
しかし、領収書を持っていれば、購入したお店で廃重油として受け取ってもらえます。
ガソリンスタンドや自動車販売店等へ事前に相談してみるとよいでしょう。
不要になったエンジンオイルは、頻繁に出るものではないため、空気圧点検をする際に、領収書と一緒に持ち込んでみると楽なのではないでしょうか。
①廃油処理箱を使って捨てる
廃油処理箱とは、家庭用一般ごみとして捨てられるようにするものです。
液体であるエンジンオイルを吸収させたり凝固させたりする仕組みです。
廃油処理箱はカーショップで1枚数百円程度で購入可能です。
ただし、自治体によって廃油の扱いが異なるため、回収可能か必ず事前確認をしましょう。
②ガソリンスタンドに引き取ってもらう
エンジンオイルはボイラーの燃料にされたりリサイクルに利用されたりしています。
4Lまでは無料で引き取るガソリンスタンドが多いものの、店舗によって対応が異なる場合があります。
回収の可否と、回収費用は必ず事前に確認しましょう。
持ち込む際はエンジンオイルの空き缶など密閉できる容器に廃油を入れます。
運ぶ途中でこぼれる可能性のある容器は避けましょう。
③エンジンオイルを購入したお店で引き取ってもらう
エンジンオイル購入時のレシートがあれば購入店舗で引き取ってもらえる可能性があります。
ただし、ガソリンスタンド同様、回収の可否と回収費用は事前に確認しましょう。
エンジンオイルは正しく廃棄しないと環境汚染につながる
エンジンオイルは正しく廃棄しないと環境汚染につながる
エンジンオイルなど、石油系油は下水処理場での処理が難しく、また川に捨てると環境汚染につながります。
そのような理由から、下水や川に流すことは不法投棄にあたり刑罰の対象です。
また、容器にエンジンオイルを入れて捨てても不法投棄で刑罰の対象になる可能性があります。
さらに、少量でも土に捨てると土壌や地下水の汚染にもつながります。
最終的に環境汚染の被害を受けるのは私たち人間も含まれることを常に念頭に置いて、正しい処理を行いましょう。
まとめ
油やオイルの処分についてお困りごとがありましたら、ぜひ弊社GoodServiceまで
この記事では、さまざまな油の処分方法を解説しました。
あまり量が多くなければ、面倒とはいえご家庭での処分が出来ますが、大量の油ともなると個人での処理は難しいかもしれません。
油やオイルの処分についてお困りごとがありましたら、ぜひ弊社GoodServiceまでお問合せくださいませ。