2023/07/14
ハードディスクは、パソコンをはじめとする電子機器の記憶媒体として使用される機械部品です。その性質上、個人情報が記録されていることも多いため、処分する際には情報漏洩を防ぐための処置を必要とします。
本記事では、ハードディスクの処分方法について、安全なデータの消し方と併せて解説します。
目次
ハードディスクの処分方法
ハードディスクの処分方法は大きく分けて以下の4つに分けられます。
・不燃ゴミに出す
・フリマサイトの利用
・リサイクルショップの買取
・不用品回収業者を利用する
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
不燃ゴミに出す
故障したハードディスクは、自治体の燃えないゴミ・不燃ごみとして出せます。ただし、完全にデータを消去していない場合、回収場所で盗難にあい、情報漏洩する恐れがあります。
廃棄はデータを初期化したり、専用の機械でデータを破壊したりした後に行いましょう。専用の機械は家電量販店やパソコン専門ショップで借りられます。
フリマサイトの利用
故障がなく、まだ使えるハードディスクは、ゴミとして捨ててはもったいないと感じる方は多いでしょう。フリマサイトなら自宅にいながら欲しい人に中古品として譲れるため便利です。ただし、データを削除しないまま販売し、悪意のある人の手にわたってしまった場合はデータを悪用されてしまう可能性があります。フリマサイトにハードディスクを出品する前には必ず、内部に記録されている情報を消去しましょう。消去の方法は後に詳述します。
また、故障品を出品するとトラブルの原因となるため、動作確認も必ず行いましょう。
リサイクルショップで買い取ってもらう
外付けのハードディスクは中古でも性能に差があまりなく、需要があるため、リサイクルショップで買い取ってもらえます。
データの消去のサービスを行っている店舗であれば、手間がかからず買取に出せます。依頼前にどのような方法でデータを消去するのかを確認しておき、情報漏洩が起こらないよう注意しましょう。
不用品回収業者を利用する
不用品回収業者を利用することで、ハードディスクを始めとした不要な家電をまとめて回収してもらえます。業者を利用する際にも、自分でデータの消去をしておきましょう。
また、不用品回収業者には、不法投棄をしたり高額な請求をしたりする違法業者が存在します。違法業者の特徴は以下の通りです。
・トラックでアナウンスをしながら巡回している
・連絡なく突然やってくる
・公式サイトやチラシに会社の住所が書かれていない
・公式サイトがない など
不用品回収業者を利用する際は、業者の情報をチェックして信頼できる業者に依頼することが大切です。
ハードディスクのデータ処理方法
前述の通り、ハードディスクを処分する際にはデータを消去しておくことが大切です。
ただし、パソコンのゴミ箱の中身を消去するような作業だけではハードディスク上のデータを完全には削除できず、特殊なソフトウェアを使用すると復元できることがあります。
ここでは、ハードディスク内のデータを消去する方法について解説します。
ソフトウェアの利用
パソコンの場合、コマンドプロンプトから特定の操作を行うことでハードディスクのデータを消去できます。ただし、慣れていない人だと手順や文字の入力を誤り、別のファイルを完全消去してしまうリスクがあります。
自分で消去する自信がない方は、データ消去用のソフトウェアを使用しての初期化がおすすめです。
専門業者の利用
家電量販店やパソコンの専門店には、有料でハードディスクからデータを消去するサービスがあります。作業時間は15分から30分程度です。
ノートパソコンは廃棄せず、ハードディスクだけを取り出してデータを消したいという要望にも対応してもらえることがあります。
専門業者を選ぶ際には
・料金の記載が明確であること(後から高額請求されないようにする)
・消去方法が具体的に説明されていること(情報漏洩リスクを低減する)
・セキュリティがしっかりしていること(「消去証明書」を発行してもらう)
この3点について確認するとよいでしょう。
物理的に破壊する
故障した外付けのハードディスクがパソコンに認識されない場合は、初期化やソフトウェアでの消去が難しいため、物理的に破壊することで対処します。
ハードディスクを物理的に破壊する手段としては以下のような方法があります。
・ハンマーで叩く
円盤は複数枚重なっているため、全てを壊すようにしましょう。円盤をコーティングしているガラスが粉砕して飛散することで怪我をする危険性があるため気をつけます。
・ドライバーで内部を破壊する
隙間からドライバーでハードディスクの円盤に傷をつけることで破壊できます。
・高い圧力をかけて破壊する
高い圧力をかけて破壊できる専用の機械を使用する方法です。安全で確実に破壊できます。機械は家電量販店やパソコン専門店で借りられます。
ドリルで穴をあけたり水に浸したりなどの方法もありますが、ハードディスクを完全には破壊できないことが多く、あまりおすすめできません。
ハードディスクを処理する際の注意点
ハードディスクを処理する際には個人情報・機密情報の漏洩や、情報が悪用されてしまうことに気をつける必要があります。ここではそれぞれについて詳しく解説します。
個人情報・機密情報漏洩
仕事や個人で使用するパソコンには、多くの個人情報や機密情報が入っています。
名前・住所・口座番号・クレジットカード情報のほか、文書ファイルやメールも中身によっては機密情報となり得るでしょう。これらの情報を完全に消去せずパソコンを処分すると、情報漏洩の可能性があります。
前述の方法でデータを完全に消去してからハードディスクを処分しましょう。
情報の悪用
金融機関やクレジットカードの情報が漏洩してしまうと、不正に利用される被害にあう可能性が高まるでしょう。メールアドレスや住所録などが流出すれば、個人の被害に留まらず、友人や取引先の人々にも被害を拡大させてしまいかねません。もし、仕事の機密情報が流出した場合は、会社に損害を与えてしまう可能性があります。
パソコンの持ち主個人だけではなく、つながりのある人に被害が及ぶ可能性も意識してハードディスクの処分方法を決めることが大切です。
ハードディスクを処分する目安
ここまでハードディスクの処分方法について解説してきました。
ここからは、具体的にどのような場合にハードディスクを処分するとよいのか、その目安についてご紹介します。
物理的に壊れた
ハードディスクが物理的に壊れた場合、そのハードディスクは処分するしかありません。故障原因としては以下のようなものが考えられます。
・使用頻度・経年劣化による故障
磁気ヘッドが徐々に円盤を傷つけることで経年劣化します。いつ故障しても困らないように、定期的にバックアップを取りましょう。ハードディスクの寿命は使用頻度や環境に応じて変わるものの、だいたい4、5年程度と言われます。
・高温による故障
使用中の温度上昇、または、高温の場所での使用によって熱で歪みやすくなり、動作異常が起きて壊れます。
・腐食による故障
多湿や水没によって内部に水が入ってしまうと、ショートしたり、錆びて読み取りができなくなったりすることで故障します。
・タバコの煙や埃の混入による故障
タバコのヤニや埃が内部に入ることで、磁気ヘッドが傷つき故障します。
異音・異臭がする
ハードディスクから異音・異臭がする場合、以下のようなケースが考えられます。状況に合わせて適切に対処しましょう。
・焦げたようなにおいが発生する場合
パソコンの長時間使用や内部に埃が溜まっている場合、パソコンが高温になりやすくなります。パソコンの適正温度は、10℃から35℃前後です。これより高温になると、熱暴走を起こして基盤がショートし、チップが焼けることで焦げたような臭いが発生します。火災につながる恐れがあるため、すぐに電源を切りましょう。
ハードディスクが不具合を起こしているときにも焦げ臭い臭いが発生します。考えられる原因はハードディスクです。データの読み取りが可能なうちに対処することをおすすめします。
・破裂音がする場合
マザーボードに異物が混入したり、水分を含むとショートし、さまざまな不具合が発生します。その影響で、電気を一時的に蓄えるコンデンサが液漏れや破裂を起こすことがあります。負荷が高くなると電源が安定しなくなり発火するため注意しましょう。
動きが遅くなる
パソコンの動きが遅くなることも、ハードディスクを処分する目安の一つです。
ただし、ハードディスクの動作はケースによっては改善できる可能性があります。
ハードディスクの動作が遅延する原因と対策の例としては以下の通りです。
・ハードディスクの容量不足の場合
ハードディスクのクリーンアップや、常駐プログラムの停止で空き容量を確保する。
・熱暴走をしている場合
完全シャットダウンした状態でしばらく放置する
・外付けのハードディスクを使用している場合
高速にデータ転送できるソリッドステートドライブ(SSD)に交換する。
【弊社事例】グッドサービス事例
グッドサービスでの事例を2件ご紹介します。
ハードディスクには個人情報が入っているため、事前に自分でデータの削除や破壊をしておき情報漏洩しないように気をつけましょう。
遺品整理に伴う家電の買取り回収事例
遺品整理時には大量の家具や家電などの不用品を処分します。
丁寧に使用されていた方のお部屋には、買取可能な家電が多くありました。家電の中にはハードディスクが手を付けてない状態の新しいパソコンがあり、買取できることをお伝えしてお客様にパスワードなどロックを解除していただき初期化させていただき買取できる流れとなりました。
このようなケースの場合、不用品処理代金が買取金額で相殺されかなり安くなる場合がございます。。
使わなくなった部屋の残置物回収事例
実家を出て、一人暮らしを始める男性がこれまで使っていた部屋の不用品整理の事例です。使わない家具やテレビ、パソコン、エアコン、2口コンロなどを回収しました。
パソコンは電源も入らない使用不可能な状態でしたので、そのまま回収させていただきました。
グッドサービスでは、お客様とご相談しながらお見積もりを進め、片付けのアドバイスも致しました。
まとめ
ハードディスクには、個人情報が多く含まれています。情報を漏洩させると、自分だけでなく、自分の周囲の人へも迷惑をかけてしまうことがあります。処分やリサイクルをする際には、必ずデータを消去し復元できない状態にしましょう。
弊社ではお客様の個人情報を機密情報として厳重に管理します。ご希望の方は機密処理完了後に「破砕」「解読不能処理」のいずれかの証明書を発行しております。