2022/05/02 不用品回収
相続や引っ越しなどを理由に、今住んでいる家が空き家になってしまうケースがあります。
空き家の処分にはさまざまな方法があり、売却する場合においても「更地にする」で「リフォームして売却する」など複数の選択肢があるため、それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで検討することが重要です。
今回は、空き家を処分する方法や今すぐ手放したほうがよい理由、処分にかかる費用、サポート制度などについて解説します。
目次
空き家を「売却」で処分するには
空き家を処分する方法としてもっとも一般的なのは「売却」です。
ただし、売却にもいくつかの形があるため、それぞれの違いについて知っておくことが重要です。
建物もそのまま売却
土地と建物をそのまま売却する方法があります。
解体して更地にする時間とコストを抑えられることがメリットです。
ただし、建物ごと売却する場合、建物の劣化状態や立地によっては、売却先がなかなか見つからないケースも少なくありません。
売却しにくい建物として、以下のような例が挙げられます。
- 築年数が古い
- 耐震性能が基準を満たしていない
また、引き渡し後に欠陥が発覚してしまうと、補修費用や損害賠償を請求される可能性も考えられます。
空き家をそのまま売却する時には、慎重な判断が必要です。
更地にして土地を売却
建物を解体して、更地の状態で土地を売却する方法です。
更地にして土地を売却すれば、新築を建てようと検討している一般の方や、不動産業者が買い手となることもあります。
また、建物ごと売却するときと比べ、高値がつく可能性が高いといわれています。
ただし、建物の解体や更地にする工事には、高額なコストがかかります。
更地にするためにかかる費用と売却値を考慮して、どちらのほうが利益を得られるか見極めることが重要です。
なお、更地の状態が続けば不法投棄される可能性も高まるため、ロープを張る・看板を立てるなどの対策を講じる必要があります。
建物をリフォームして売却
建物をリフォームしてから売却することで、古い家屋に比べて、買い手が見つかりやすくなるといったメリットがあります。
買い手にとっては、必要となるはずだった建築費用やリノベーション費用を軽減できるほか、購入後にすぐに引っ越しできるといったメリットがあります。
ただし、買い手のニーズにマッチしないリフォームの場合には、契約につながりにくくなる可能性があります。
リフォームして売却する場合において失敗しやすいケースには、以下が挙げられます。
- リフォーム後の家屋が買い手の好みではないケース
- 買い手が自分の好きなようにリノベーションをしたいと考えているケース
また、リフォームするにもコストがかかるため、以下の要素を比較して、どのような範囲・品質のリフォームを実施するか検討することが重要です。
- リフォーム前における家屋の値段
- リフォームにかかる費用
- リフォーム後における家屋の値段(想定)
不動産業者に買取を依頼
不動産業者に直接買取を依頼することも一つの方法です。
買取を依頼すれば、自分では買い手が見つからないような家屋・土地でも、売却できる可能性が高まります。
ただし、自分で売却する場合と比較して、買取価格が安くなってしまうことがほとんどで、売却価格の5〜8割程度になるともいわれています。
不動産会社に買取を依頼する際は、売却を急いでいる場合や、家屋・土地が売れない場合の最終手段として検討することをおすすめします。
「売却」以外で空き家を処分する3つの方法
空き家は、売却する以外にも処分する方法があります。
方法によっては収入を得られることもあるため、自分に合った方法を選択しましょう。
空き家を賃貸物件にする
空き家を賃貸物件として貸し出す方法があります。
現在の空き家をそのまま賃貸に出す、もしくは賃貸用のアパートに改築するといった方法があります。
賃貸物件として貸し出すことで、入居者からの家賃収入を得られます。
ただし、賃貸物件として出すのであれば、建物の維持管理やリフォームが必要です。
さらに、「アパートの建築にいくらかけてよいのか」「いくらで貸せばよいのか」など、アパート経営の知識やノウハウも求められます。
賃貸経営を検討している方は、専門家に相談することも選択肢の一つです。
土地を駐車場に転用する
空き家を有効活用する方法に「駐車場への転用」があります。
土地の広さや収容台数によって異なりますが、駐車場の利用料を収入として得られます。
ただし、駐車場として貸し出すには、まず建物を解体することから始めなければなりません。
さらに、空き家を解体後、駐車場としての設備を用意するための費用もかかります。
初期投資額と想定される収入を比較して、運用方法を検討しましょう。
また、駐車場経営の場合は、賃貸経営と比べて初心者の方でも比較的運用しやすいといった特徴があります。
空き家・土地を無償で譲渡する
第三者に無償で譲渡すれば、解体や建替え、リフォームなどにかかる費用を削減できます。
買い手はとっては、税金や諸費用を除くと、まとまった費用を準備することなく住宅を取得できます。
また、譲渡先がすぐに見つかれば、所有している際に発生する固定資産税や維持費を支払う期間を短縮できます。
ただし、空き家・土地を無償で譲渡する場合は、当然ながら得られる利益は一切ありません。
空き家を今すぐ処分したほうがよい理由
空き家を今後も使用しないという場合は、できるだけ早く処分したほうがよいといえます。
その理由について、下記で解説します。
維持するだけでコストがかかる
空き家は解体・活用する予定がなくても、維持するだけで費用がかかります。
維持にかかる主な費用として、以下が挙げられます。
- 固定資産税
- 光熱費
- メンテナンス費
- 保険料
- 交通費
固定資産税は、家屋・土地を所有しているだけで発生する税金で、物件価値によって異なりますが、目安として10~15万円程度かかります。
また、建物を維持管理するには、メンテナンス費用がかかります。
具体的には、修繕費用や草刈りの費用などが挙げられます。空き家が現在住んでいる場所から遠くにある場合には、メンテナンスに訪れるたびに交通費がかさみます。
ほかにも、家屋が残っていれば火災保険や地震保険に加入していることがほとんどです。
その場合、加入している保険によって異なりますが、保険料を定期的に支払わなければなりません。
すぐに劣化する
人の住んでいない家屋は、劣化が早いといわれています。
なぜなら、人による掃除や修繕の機会が減り、空気の入れ換えもなされない状態が続くためです。
このように家屋が古くなってしまうと、買い手が見つかりにくく、リフォームするにも費用が高くなってしまいます。
空き家の価値が下がる前に、売却を済ませることが重要です。
近隣に迷惑がかかる
空き家は、適切に管理されていなかったり放置されたりすると、雑草や倒壊によって近隣住宅・住民に迷惑をかける可能性があります。
もしも、倒壊によって近隣住宅が破損したり、近隣住民に怪我をさせたりすると、損害賠償を支払わなければならないこともあります。
このようなリスクを回避するためにも、空き家をなるべく早く処分するとともに、処分までは適切に管理することが重要です。
売れるはずだった空き家も売れなくなる
建物がどんどん古くなり、昔だったら売れていたはずの空き家でも、時間の経過によって売却が難しくなることも少なくありません。
空き家のまま何もしない状態で、子ども世代に引き継いだときには、売却が難しくなり、「負の遺産」として残ってしまう可能性もあります。
このように、子ども世代のことを考えても、空き家はできる限り築年数が浅い状態で売却を検討したほうがよいといえます。
空き家の処分にかかる費用
空き家を処分するには、さまざまな費用が発生します。
売却する、賃貸経営をするなど、空き家を有効活用する場合にも、事前にしておくことがあります。
ここからは、空き家の処分にかかる具体的な費用項目と費用相場をご紹介します。
家財の処分
空き家を処分する際、家財の処分が必要です。
普段の生活で出たごみだけでなく、家具や家電などすべてを処分して、建物内を空っぽの状態にしなければなりません。
家財のほとんどは自治体の回収で処分できますが、回収の時期やタイミングによっては間に合わないこともあります。
また、自治体によっては回収していないものがあります。
そのため、家財の処分は余裕を持って、計画的に進めることが重要です。
なお、家財の処分を専門業者に依頼する場合は、20~60万円程度の費用かかる可能性があります。
建物の解体
建物ごと売却するのではなく、土地として売却・活用するためには、建物の解体が必要です。
解体費用は土地の広さや建物の材質・大きさなどの要素によって異なります。
目安として、木造であれば1坪4万円前後、鉄骨造であれば1坪7万円前後といわれています。
さらに、解体費用は解体時期によっても大きく変動するため、解体する場合には早い段階で見積もりを取っておくことが重要です。
空き家処分に関するサポート制度について
現在、国内における空き家が増加しており、深刻な社会問題となっています。
こうした背景を受けて、国や自治体では、空き家の活用に向けて「空き家バンク」や「補助金」などのサポート制度を運用しています。
ここからは、国や自治体が運用している空き家のサポート制度について解説します。
空き家バンク
空き家バンクとは、空き家を賃貸・売却したい人と空き家を利用・購入したい人をつなぎあわせる空き家の仲介サービスです。
買い手が見つからない土地や、古くなった空き家で不動産業者に仲介を依頼できなかった場合などに利用することをおすすめします。
空き家バンクを利用する際は、地方自治体の担当課に申し込みが必要です。
補助金制度
空き家に関する補助金制度は各自治体で異なります。
以下では、補助金制度を実施している地域を取り上げて、どのような補助金を受けられるかについてご紹介します。
解体する際の費用
愛知県豊川市では「老朽空家等解体費補助」として、解体にかかる費用を数十万円の範囲で補助する制度があります。
補助金を受け取るには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 豊川市内で1年以上誰も住んでいない(あるいは、居住面積が1/2以上の長屋住宅)
- 老朽化もしくは倒壊の恐れがあると判断された
- 貸家として建築されていない
- 個人が所有し、所有権以外の権利が設定されていない
参考:豊川市「老朽空家等解体費補助金ついて」
その他、詳細な内容は市の建築課へお問い合わせください。
リフォームする際の費用
岐阜県土岐市では「空き家リフォーム補助金」として、空き家をリフォームする際にかかる費用を5〜100万円まで補助してくれる制度があります。
補助金の受給には、主に以下のような条件が定められています。
- 対象者は空き家の新しい所有者、あるいは賃借者である
- 土岐市内にある事業者によってリフォームされた
- 生活に必要な箇所のリフォームに10万円以上の費用がかかった
参考:土岐市「空き家リフォーム補助金 – 土岐市」
なお、この制度では、補助金を交付されてから3年以内に正当な理由なく、対象の住居に住まなくなると、補助金返還が求められるため注意が必要です。
減税制度
空き家を処分・改修・購入する場合において、税金の優遇制度が設けられています。
空き家を譲渡する場合は、特別控除として3,000万円が所得税から控除されます。
なお、減税制度を活用する際は、空き家を処分する際に申告手続きが必要です。
空き家の片づけ・家財の処分ならGoodService
空き家を放置すると不動産の価値が下がり、負の遺産として残ってしまう可能性があります。
維持管理にも労力と費用がかさむことから、なるべく早い対処が必要です。
リフォームして賃貸に出す、更地にして売却するなど、さまざまな処分方法がありますが、いずれの場合にも家財の処分が必要です。
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