2024/06/21 遺品整理
お引越しやお住まいを取り壊す際にお仏壇の処理についてご相談を受けることがよくあります。
家具などはそのまま処分してしまえばいいのですが、仏壇の処分となると、その方法について迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、仏壇のお精抜き(魂抜き・お性抜き)についての概要やお布施の相場、魂抜きの手順などを解説します。
お精抜き(魂抜き・お性抜き)とは仏壇の処分前に行う法要
魂抜き(お精抜き・お性抜き)とは、仏壇を動かしたり処分したりする前に行う儀式です。
多くの宗派では、仏壇には魂が宿っているとされています。
魂が宿ったままの仏壇を家から運び出したり、処分することには抵抗がある方も多いのではないでしょうか。
仏壇を処分する前には、魂抜きでお経を唱えてもらい、仏壇に宿っている魂を抜いていただくことがおすすめです。
仏壇から魂を抜いた後はただの置物に戻るとされているため、処分への抵抗も薄れることでしょう。
お仏壇を処分する前に確認する3つのポイント
引っ越し先に置くスペースがなかったり、世話を継ぐ人がいないなどの理由で、仏壇を処分しなければならないことがあります。
ここでは、仏壇を処分する前に確認しておくポイントを、3つご紹介します。
①開眼供養について確認する
仏壇の処分を始める前に、処分予定の仏壇に開眼供養(かいげんくよう)が行われているか、菩提寺に確認しましょう。
開眼供養は新しい仏壇に魂を入れる儀式で、開眼供養が行われている仏壇には仏様、故人様の魂が宿っています。
また、開眼供養が行われていなくても、位牌を納め日々拝んでいた仏壇には、やはり故人様の魂が宿っていると考えられます。
魂が宿った仏壇を処分する前には、閉眼供養の魂抜きを頼みましょう。
②位牌も魂抜きする
魂が宿るのは仏壇だけではありません。位牌にも故人様の魂が宿っていると考えられています。
仏壇と同時に位牌も処分するのであれば、一緒に魂抜きをお願いしましょう。
スペースの関係で仏壇がなく位牌だけ手元にある場合も、処分する前には、魂抜きして頂きます。
魂抜きした位牌は、サイズが小さいために普通のゴミとして処分できます。
ゴミとして処分することに抵抗があれば、お焚き上げしましょう。
自宅で焼却できない場合、魂抜きを依頼した菩提寺にお願いします。
③仏壇の引き出しを確認する
仏壇を処分する前に、引き出しの中を確認しましょう。
仏壇によっては、意外な場所に隠し引き出しが付いていることがあります。
大切な物を仏壇に守ってもらうために、隠し引き出しに土地の権利書や預金通帳、実印などをしまう方もいます。
大切な物を捨ててしまわないためにも、仏壇を処分する前に引き出しをしっかり確認しましょう。
弊社へ処分をご依頼いただいた場合の魂抜きについて
弊社での仏壇処分時の対応方法についてご紹介致します。
弊社では、住職の方をお招きし、魂抜きをしていただいてから処分致します。
考え方は様々ございますが、お仏壇は仏様が住んでいる家のようなものとなりますので、もちろんその仏様に一度出て行っていただいてから家の代わりであるお仏壇を処理しないといけません。
基本的に、お仏壇は家の中にあることを前提としており、その場所に仏様が住まわれているため、家の外にお仏壇を運び出す際にも魂抜きが必要となります。
弊社へのご相談は仏壇を処分したいという理由で魂抜きの相談を受けることが大半ですので、弊社でお付き合いのあるご住職様にご依頼をさせていただいております。
※もちろん既に魂抜きがお済の仏壇の回収のみの対応も行っております。
弊社で仏壇の魂抜きを対応させて頂いた遺品整理の事例
お布施についての注意点
魂抜きの際にご住職様にお支払するお布施は弊社からではなく、魂抜きをされるご家族様からお支払いただくことを基本的にはお願いをしております。
ただ、魂抜きの事をご存じないお客様からはお布施はいくらくらい払わないといけないの? とのご質問を毎回受けますが、住職様に直接お聞きすると多くの場合は「お気持ちでお願いします」と返答されてしまいます。
住職の方にもさまざまおられますので、気難しい方だとお金のことを聞くだけで関係性がぎくしゃくしてしまったり、高額なお布施を請求されたりすることもあるようなので、注意が必要です。
お布施の相場と内訳
お布施は3種類に分かれております。
1.お経を唱えていただく行為に対する「お布施」
2.お越しいただくための交通費の「お車料」
3.法事などをご依頼した際の宴席での食事代にあたる「お膳料」
この3つがお布施の3種類となります。
今回はお仏壇の魂抜きでのお布施なので、3番のお膳料は無くて大丈夫です。
1のお経を唱えていただく魂抜きそのものの代金の相場金額は1万円〜5万円程度です。
ご依頼する人の経済状況などもございますので、この範囲でできる限りのお気持ちを示せる金額がお布施の金額にあたります。
それでも決められない場合は3万円程度が目安
間を取って3万円+お車料5千円程度が無難な相場価格になると思います。
弊社でご依頼させていただいております住職様に金額の事をお聞きしたところ、上記金額程度が一般的ではないかとという事で、
3万円程度おつつみなさる方が多いですとお答えさせていただいてはおります。
ただ、この金額は一般的な相場であって決まりはございません。
お布施金額は自由に決めてよいものですので、このことを参考にお考えいただければよいのでは無いでしょうか。
【例外】お布施の費用は気持ち次第
供養や魂抜きをお願いしたら寺院からウン十万請求された!などの話をお客様から耳にすることがございますが、その金額は一般的ではございませんのでご注意いただければと思います。
お経を唱えていただくことに対するお布施はあくまでお礼(お気持ち)の金額です。
寺院や住職様はビジネスの価格表をもってお仕事をしているわけではございませんので、その住職の方を理解してお布施をお渡しすることが重要かと思います。
お布施袋にかかわる2つのマナー
魂抜き(魂抜き)のときにお経を唱えていただいた住職様には、お布施をお渡しします。
葬儀の参列や法事でご遺族にお渡しする香典とは違うため、取り扱いに悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは、魂抜き(魂抜き)でお渡しするお布施袋の書き方と、渡し方のマナーを解説します。
①お布施袋の書き方のマナー
お布施袋の表書きは、袋の上部中央に「御布施」と書きます。市販のお布施袋を利用するとよいでしょう。
お布施とは別に「御車料」も用意しましょう。
袋の下部にご自分の名前を名字のみ、またはフルネームで記入します。
裏面、または中袋には、金額や名前、住所を記入します。
お布施の金額には漢数字を使いましょう。
漢数字:壱・弐・参・四・伍・六・七・八・九・拾・百・阡・萬
例えば、30,000円の場合は金参萬圓也と書きます。
急いで駆けつける必要がある葬儀では薄墨を使用しますが、準備を事前にできる魂抜きでは黒い墨の筆ペンを使用しましょう。
②お布施袋の渡し方のマナー
お布施をお渡しするのは、魂抜き(魂抜き)が終わり、住職様にご挨拶する時です。
お布施袋をそのままお渡しするのではなく、切手盆とふくさを用意しましょう。
切手盆とは、黒塗りの小さな四角いお盆です。
ふくさはハンカチ程度の大きさの、ふろしき状の物です。
どちらも、ご祝儀やお布施などの金封を渡すときに使用します。
ふくさで包んだお布施袋を切手盆にのせて、お礼のご挨拶と共に、住職様にお渡しします。
ふくさが用意できない場合でも、手渡しするのではなく、切手盆にのせてお渡ししましょう。
魂抜きの手順
仏壇の魂抜きは1日で終わりますが、ひと月以上の余裕を持って準備することがおすすめです。
ここでは魂抜きの手順について解説します。
①魂抜き前に行うこと
まず、魂抜きの法要に必要な仏具や生花、お供えなどを用意します。
一般的に用意する物は下記のとおりです。
宗派により違いがあるため、魂抜きにお呼びする住職様に確認するとよいでしょう。
- 経机
- 座布団
- 生花
- ろうそく
- 線香
- ライター
- 数珠
つぎに、魂抜きの日取りを決定します。
葬儀と違い大安や友引などを気にする必要はありません。
魂抜きをお願いする住職様と相談して決めます。
そして、当日に住職様にお渡しするお布施とお車代を用意します。
葬儀の場合と違い準備を事前にできるため、新札を用意しましょう。
最後に、当日の服装については、平服で構いません。
ただし、住職様を招いての法要のため、カジュアル過ぎない服装がおすすめです。
②当日の進行
魂抜き当日は、生花やろうそく、線香など、仏壇の準備を整えて住職様をお迎えします。
仏壇の前でお経を唱えていただき、仏壇から魂を抜いてもらいます。
位牌や遺影など、ほかにも処分する物があれば同時に魂抜きをお願いしましょう。
お経を唱え終えて法要が済めば、住職様から無事に魂抜き(魂抜き)が終わったと伝えられます。
お茶とお菓子を差し上げてひと息ついて頂き、お礼を伝えながらお布施をお渡ししましょう。
まとめ
今回は、仏壇を処分する前に必要な魂抜き(魂抜き・お性抜き)について、費用やポイント、手順を解説しました。
不用品回収のグッドサービスでは、魂抜きが必要な仏壇の処分のご相談も承っております。
また、定期的にお守りや人形などの合同供養を実施しております。
粗末に扱えないため処分にお困りの物がある方は、ぜひご相談ください。
遺品整理などで仏壇を含めた回収をお考えの方はこちらからお問い合わせいただければと思います。
https://www.kataduke-kaitori.com/relic/
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